2008年08月22日
『頭川トンネル』 (富山県)
お寺の近くにある旧津々良トンネルは、頭川トンネルとも言われています。
この頭川トンネルを通る者がよく行方不明になる、という噂がありました。
行方不明者は数日後、死体になったり、錯乱状態で見つかると言われています。
彼らが何を見たのかは判りませんが、噂では自殺した女性の霊が、通行人を死に誘うとのことでした。
20年ほど前、トンネル口で首つり自殺があったのは事実です。
狭いトンネルの中を車でのろのろ走っているとき、窓を開けていると車外から伸びてきた女の手が
乗っている者を外に引きずり出してしまうというのが専らの噂でした。
窓を閉めていると、外から窓を叩く音がするのだそうです。
このときも、窓を開けてしまえば車から引きずり出されてしまいます。
2年前のこと、住職・萩中 帯善さんは小学生たちにこの話を聞かせました。
ある男の子は噂を信じず、頭川トンネルに肝試しに行ってしまったそうです。
しかし、トンネル内でコツコツと何かを叩くような音を聞き、恐ろしくなった男の子は引き返しました。
そのとき、男の子はトンネルの奥に、長い髪の女を見ます。
女は凄い勢いで男の子に迫ってきました。
無我夢中で逃げ、お寺に戻ってきた男の子は、安堵の息を漏らします。
けれども女は男の子を追ってきていました。
布団の中で男の子が震えていると、廊下をひたひたと近づいてくる足音があります。
そして部屋のふすまが開けられ、布団を捲る音が聞こえてきました。
ばさりと捲り、「ここにはいない…」 と呟く女。
ついに女の手は男の子の布団に伸び………
「ここだっ!」
翌日、布団の中で冷たくなっている男の子が発見されたそうです。
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Posted by 黴 at 19:18│Comments(0)
│四八(仮)