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2008年02月16日

VNV 細田友晴 『魅惑のトイレ』


『学校であった怖い話 Visual Novel Version』 プレイ日記 vol.6
細田友晴 『魅惑のトイレ』

 皆ビジュアルが良くなったのに、細田さん……。
 ま、彼はこれで良いのかもしれませんな。
 トイレと友情パワーさえあれば。
 ※当然、以下はVNVのネタバレになります。
  個人的にはネタバレを読んでいようがいまいが、VNVのシナリオを
  プレイしたときに感じる圧倒的迫力には影響がない…と思っていますが、
  ネタバレが厭な人はここでストップしておいてください。




霊感が強い人でも、霊を見やすい場所がそれぞれあるのだと言う細田さん。
お墓でよく見る人もいれば、病院で見やすい人もいる。
それが細田さんの場合、トイレなのだそうです。
トイレにいるのは、基本的に無害なのですが、中には悪質な霊もいます。
これから話すのは細田さん自身が遭遇した恐ろしい霊の話…。



 この学校のトイレには霊がいますが、それとは別に奇妙なトイレがあると細田さんは言います。
 うまく表現できない、不安になるけれども、どこか落ち着く…そんな雰囲気です。
 細田さんは、休み時間ごとにその不思議な個室にこもっていました。
 2年生に進級したときのことです。
 細田さんは、自分を虐める吉川くん、星野くんと同じクラスになってしまいました。
 ある日、彼らによってトイレに行くことを禁じられた細田さんは、
 授業中も休み時間も見張られ、5限目の授業中に漏らしてしまいます。
 耐えきれずに例の個室で声が枯れるまで泣き、どれくらい経ったでしょうか。
 個室の外から呼びかける担任の声で気がつくと、汚れていたはずの制服が綺麗になっていました。
 そして何故か、担任もクラスメイトも、吉川くんと星野くんさえも、今までと正反対の態度で接してきます。
 「勉強が出来て、女性に人気があって、尊敬できる皆の中心人物」
 …そんな風に細田さんを扱うのです。
 おまけに、昨日の屈辱的な出来事も、細田さんの記憶にしか存在していません。
 常識では信じられないような状況でしたが、細田さんは幸せでした。
 例のトイレに行くことも、休み時間中トイレにこもることもなくなります。

 ところが、その幸せは長くは続きませんでした。
 細田さんにとって最高の成績を修めても、“細田さん” は、もっと出来る人物だからです。
 過去のトップクラスの成績表がそれを証明していました。
 そこで細田さんは初めて、皆が変わったわけではないことに気がつきます。
 細田さんは、ここに本来いるべき “細田さん” ではない…。
 謂わば、平行世界に迷い込んでしまったのです。
 プレッシャーに打ち勝つことが出来ず、細田さんは再び個室にこもるようになりました。
 けれども、元の世界に帰ることも、別の世界へ行くことも出来ません。
 今ではクラスメイトたちに見限られ、あの2人に虐められ始めています。
 期待を裏切り続けるよりは、期待されていない方が良いのかもしれない、と言う細田さん。
 虐められて頭がおかしくなったわけでも、嘘をついているわけでもありません。
 これは確かに細田さんの身に今も起きている事実なのです。




学怖本編ではなかったタイプの話ですね。
『世にも奇妙な物語』 に出てきそうだなぁ。
不幸と感じていた主人公が、突如幸せに包まれるも、
別の形でどんでん返しを喰らい、再び不幸に…というパターンが。
決して恐怖心は抱かないけれども、どこかもやもやとして、すっきりしない…。
漠然とした不安とでも言うのでしょうか、そういうものを感じさせるストーリーでした。





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Posted by 黴 at 15:55│Comments(0)学校であった怖い話
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