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2020年01月25日

オブラ・ディン号、帰還す


『Return of the Obra Dinn』プレイ日記 vol.29
 取引という章の名前と、「船長が来た途端にクラーケンが引き上げた」 という証言から、
 てっきり悪魔との契約みたいな感じで、船長が何かしらの取引をしたのかと思ったのですが、どうもそうではないようです。




【VIII 取引 その3】死体の場所:船尾倉庫内(別の死体を経由してのみ確認可)/現場に居合わせた者:1名
(おぞましい悲鳴)
「お前たち化け物を、根絶やしにしてやる…。クラーケンを鎮めろ!死にたくなければな!」
(断末魔)

 死亡者と死因は既に記載済です。
 「捕らわれた怪物は、捕獲者と格闘したのち、槍で退治された」
 そして、次のシーン。

【VIII 取引 その2】死体の場所:船尾倉庫内(別の死体を経由してのみ確認可)/現場に居合わせた者:1名
「怪物を鎮めろ!クラーケンを呼んだのはお前たちだろう!」
(肉を突き刺す音)
「やめさせろ!」
(絶叫)
(銃声)

 こちらも手記は既に埋まっています。
 「呪われた怪物は、叫び声を上げて抵抗の姿勢を示したが、銃弾を撃ち込まれ、絶命した」
 さて、この2つのシーンから、蜘蛛のような化け物やクラーケンの襲撃は、船に捕らわれた人魚のような怪物の仕業だと考えた船長が、
 閉じ込めている怪物を痛めつけて襲撃をやめさせようとしていることがわかります。
 ただ、いくら口頭で要求したところで、返事をするわけでもなく、結局のところ、痺れを切らして殺害していますね。
 「その2」 と 「その3」 で1体ずつ殺害した後、船長は倉庫を出て行き、マーティン・ペロットらが現れて残った怪物と貝殻を解放しています。
 そのおかげでクラーケンがいなくなったのでしょうが、何故、船長は1体殺さずに残したのでしょう。
 他の怪物を殺したことで、自分の要求を聞くと思ったのか……。
 また、この時点ではフィリップ・ダールの手に、光る貝殻があります。
 既に死んでいるようですが、ポール・モスたちは、彼の手から貝殻をとって海に捨てたんですね。

【VIII 取引 その2】死体の場所:船尾倉庫内(別の死体を経由してのみ確認可)/現場に居合わせた者:1名
(ガタガタという物音)
「これは…なんだ…?水銀か…!」
(悲鳴と何かが倒れる音)
(うめき声)
「Herre, min gud!(なんて…美しい…!)」

 これがフィリップ・ダールの最期ですか。
 死因はシア・イトベンと同じですから、「フィリップ・ダール(一等航海士付き司厨手)は、毒に侵され死亡した」です。
 死亡したフィリップダールは右手で光る貝殻を抱えており、開いた匣からはなにやら立ち上っています。
 このシーンでは見えませんが、後のシーンでフィリップ・ダールの右手はミイラのように萎れていました。
 そして、若干ですが床に血痕が見えます。
 ………フィリップ・ダールは 「水銀」 と口にしましたが、これは水銀で死んだわけじゃないでしょう。
 シア・イトベンもそうでしたが、この箱に “喰われた” ように見えます。
 ゲームで 「毒」 とされているからには毒なんでしょうけど、呪いに近いよなぁ。



 これにて、全乗客・乗員の安否情報が確定しました。
 完成した手記を本棚に収める主任調査官。
 ……これで、『オブラ・ディン号の帰還』 は終了です。
 めちゃくちゃ面白かった!!(*´∇`*)
 死体から死の瞬間の光景を読み取り、状況証拠と推測によって、死因と安否情報を特定していくというゲームであり、
 「事件の真相を暴く」 ことが目的ではありません。
 そのため、既に用意されている膨大な選択肢から正解を選ぶ、という “絶対に解ける謎解き” になっているのが良点。
 よって、推理ゲームにクラーケンや人魚といった怪物、貝殻の呪いなどの要素を盛り込んだのも、決して欠点には成り得ません。
 普通の推理ゲームで、呪いだの魔法だの出てきたら、それが最初から明言されていない限り、興ざめしてしまうと思います。
 けれども、このゲームは前述のとおり、証拠から 「安否情報を特定する」 ことが目的。
 真相が解明してから自分の推理が合っていたかどうか確認するのではなく、死んでいるシーンを見て、
 「なるほど、彼は化け物に殺されたんですね」 とそれを手記に記入するのがお仕事なのです。
 死因が予想外のものだったからと言って、「それは反則でしょ!」 と言う必要はまったくないわけです。
 むしろ、「事故で死んだ」 「仲間に殺された」 ばかりにならないので、ゲームをより面白くしていると言えるのではないでしょうか。

 一方で、選択肢が非常に膨大であるが故に、何の推論もしない総当たり方式は無理というつくりになっています。
 それでいて、「3つごとに正解が確定する」 というシステムが絶妙でしたね。
 これが1件ごとなら、身元と死因のどちらかがわかれば総当たりも容易になってしまいますし、
 最後まで正解が明かされないなら、何が合っていて、何が間違っているのか、しっちゃかめっちゃかになってクリア不可能でしょう。
 仮に 「3つ安否情報を入力しているのに確定されず、4つめを入れたときに確定された」 なら、残った1つは誤りだったとわかります。
 こうして、ストレスにならない程度で、プレイヤーの推論の成否を教えてくれる、ちょうど良い難易度でした。

 また、時系列ではなく、基本的には時系列を逆に辿りつつ、章があちこち飛ぶという進み方も、プレイヤーを引きつけます。
 逆に辿る方式は、いきなり死体があり、「この人は何で死んだんだ?」 と思うと、その光景が見え、その中でまた死んでいる人がいて、
 なおかつ死に方が予想外だったりすると、「ここに至るまでに何があったんだ?」 と気になる……。
 特に、死が連鎖しているところでは、まずは立ち止まって死因を考えなければならないのに、「先が見たい」 という気にさせられます。
 そのせいで、ちょっと探索が疎かになってしまう部分があったかも(;´Д`A
 実は、クリア後にもう1度人の多いシーンを見直してみたのですが、見逃しているヒントが結構あります。
 プレイ中、「中国人の檣楼員だから」 とか 「ロシア人だから」 という理由で半ば当てずっぽうでやってしまった部分があるのですが、
 多分、大抵の乗員はゲーム中のヒントから適切に推測できるのではないでしょうか。
 例えば、ロシア人については、彼らのハンモックの1つにパイプの入った鞄が提げられていました。
 そして、ボートを漕いでいるロシア人の1人がパイプを咥えていることから、どちらがどちらか特定できます。
 ハンモックから出ているのが足だけで何のヒントもないと思っていたら、1人の中国人が、しましまに見える靴下?みたいなものを
 履いており、それが彼の死亡シーンでも見てとれるので、特定が可能……と言ったこともありました。
 そして、案外大切だと思ったのがハンモックの有無。
 そのシーン以前に死んだ船員のハンモックは片付けられているみたいなんですよね。
 なので、そのシーンで未だ使われているのは何番のハンモックかを書き出していけば、生きている船員が特定できます。
 実際、現実世界でぶら下がっているハンモックは44番のみ。
 44番は最後から2番目に死んだ檣楼員 ルイス・ウォーカーです。
 さすがに現実世界のハンモックを見た時点で特定することは不可能でしょうが、ハンモックのしくみに気づいていれば、
 その段階でルイス・ウォーカーの名前は入力できたのではないでしょうか。
 「ある程度絞り込んだらあとは総当たりしかない」 と思ったら大間違いのゲームですね、きっと。

 満足しきりのゲームでしたが、唯一改善してほしい点があるとすれば、手記から過去の情景に飛べるようにしてほしかったな、と。
 過去の情景に飛ぶためには、死体のところまでいかなければならないのが、結構面倒です。
 黴はあまりあちこち見て回らなかったのですが、それでもちょっと面倒だな、と思ったので、
 行ったり来たりしたい人には、かなりの手間だと思います。
 それと、やっぱりちょっと酔いやすいんですよね。
 手記から過去に飛べるようになれば、それも多少軽減されるかも。
 それにしても楽しかった(*´∇`*)




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Posted by 黴 at 07:02│Comments(0)Return of the Obra Dinn
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