2008年05月14日
『ノツゴ』 (高知県)
『四八(仮)』 プレイ日記 vol.43
『ノツゴ』 (高知県) 契力60消費
鳥取県の 『サラリーマン山田の冒険』 から派生するシナリオです。
そちらから来た場合、山田さんの拾った小説の原稿の内容…ということになるようですね。
『ノツゴ』 (高知県) 契力60消費
鳥取県の 『サラリーマン山田の冒険』 から派生するシナリオです。
そちらから来た場合、山田さんの拾った小説の原稿の内容…ということになるようですね。
一章
妖怪作家・H氏は妻と朝食兼昼食をとりながら、“未知の力” について話をしていました。
H氏は、強い未練を残して死んだ者の霊は、生者に何らかの作用を与えるに違いないと言います。
その死が、次の世代の心に残り、“新形式の生存” を始めるのだと。
H氏は自身の作品 『ケケケの毛太郎』 もきっと名もない霊が自分の心を揺さぶり、
働きかけることで形になったのだろうと考えました。
その名もない霊が、一体何者なのか…。
それが判るまでは、仕事に手がつかないと言うH氏。
妻は、娘たちのことで家計が苦しいときに…と溜息を吐きながらも、
一度言い出したら聞かない夫の性格を熟知しているので、渋々承諾しました。
二章
H氏の妻が通う着付け教室のメンバーに、妙なことに詳しい太ったご婦人が居ました。
妻がそのご婦人に夫の言ったことを尋ねてみると、神仏にでも祈らなければ
無理かも知れないと言います。
疑わしそうな顔をすると、ご婦人は祈るというのは、信じることが大切なのだと解きました。
妻はその言葉通り、近所の祠に毎日毎日祈りを捧げます。
三章
H氏は毎晩同じ夢を見るようになりました。
そこがどこかは判りませんが、いつも最後は土に埋められて苦しい思いをするのです。
四章
尚も同じ夢を見続けるH氏は、ある日テレビに夢と同じ光景が映し出されているのを見ました。
そこは、高知県と愛媛県の境にある南宇和地方。
H氏は四国へ飛び、テレビに映った一本松という町へ向かいます。
五章
H氏の見た夢は、墓場のようなところで穴に埋められ、苦しみながらそこから這い出るというもの。
これは氏の作品 『ケケケの毛太郎』 の出生と一致します。
夢の主こそが、H氏の心を揺さぶった霊なのでしょうか。
タクシーで町を当て所もなく走るH氏はついに夢に見たのと同じ家を発見しました。
そこに居たのは、70歳ほどの老人とその息子。
彼らに、この辺りに人に取り憑く霊が居るという話はないか、と尋ねてみると
「それはノツゴだ」
という答えが返ってきました。
六章
ノツゴ : 夜道を歩いていると不意に足がもつれて歩けなくなる。
その原因がノツゴであり、憑きもののような正体不明の妖怪である。
この地方では、ノツゴが出て 「草履をくれ」 と言ったら、鼻緒を切って投げてやると離れますが
草履をやらないと、いつまでも付いてくると言われています。
また、ノツゴは生まれてすぐに殺された貧農の家の子どもの妖怪だとか。
すると、H氏が夢に見ていたのは、やはりノツゴなのでしょうか?
七章
ノツゴになるのは、千四杯の水で供養されなかった子どもだけだと言います。
しかし、ノツゴになりかけて息を吹き返した例や、穴から自力で這い出てきた子もいました。
そうした生きノツゴは、風習として1年育て、人手に渡すのだそうです。
老人の祖父も生きノツゴを拾い、1年後に鳥取県の方にやってしまったとのこと。
老人の差し出す帳面を見ると、その住所はH氏の生家、受け渡した日はH氏の誕生日。
H氏は叫びました。
「すると僕は生きノツゴだったのか!」
原作・水木しげると書いてありましたので、ゲスト作家シナリオになるのでしょうか?
一貫して男性の声で原稿を読み上げるように進む音声シナリオです。
文章に雰囲気があって引き込まれますね。
分岐はありませんが、ボリュームは充分です。
【住民情報】
壁鍬 又吾郎(かべくわ またごろう) 56歳 男性 奈良県/奈良県 生存
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Posted by 黴 at 23:39│Comments(0)
│四八(仮)