2025年02月05日
The Artful Escape
『The Artful Escape』 プレイ日記 ~悩めるTru'nembraのスペース叙事詩~ vol.1
黴は通常ゲームを選ぶとき、システムが心惹かれるものかというものを重視します。
そのため「PVが良かったから買う」というパターンはほぼありません。
しかしこのゲームはPVを見て強烈に心惹かれ、Steamで衝動買いしたという珍しいゲーム。
衝動買いという言葉に違わず、最初から最後まで衝動に突き動かされ続けたゲームでした。
黴は通常ゲームを選ぶとき、システムが心惹かれるものかというものを重視します。
そのため「PVが良かったから買う」というパターンはほぼありません。
しかしこのゲームはPVを見て強烈に心惹かれ、Steamで衝動買いしたという珍しいゲーム。
衝動買いという言葉に違わず、最初から最後まで衝動に突き動かされ続けたゲームでした。
プレイ時間短いです。
ストーリーもステージも一本道です。
ほとんどゲームらしい操作はありません。
やりこみ要素も、寄り道要素もありません。
……と、最初に声を大にして言わせていただきました。
だから「ゲーム」としては多分面白くありません。
でも黴はプレイを通じて確かに心を揺さぶられましたので、ゲーム紹介という意味でプレイ記にしていきたいと思います。
町並みを望む崖の上のベンチで、1人フォークソングを歌う青年・フランシス。
しかし、少し歌っては憂鬱そうに止めてしまいます。
ベンチから立ち上がり、崖っぷちに立ったフランシスは薄く微笑み、思う存分エレキギターをかき鳴らしました。
気付くと背後のベンチには、見知らぬ女性が座っています。
女性に「服装に似合わぬサウンド」と指摘されたフランシスは、慌てたように普段は真面目にフォークソングを歌っていると弁明。
初ライブを控えた身ですが、どうにも「ギターを逆さまに弾いているような」気がしていました。
バイオレッタと名乗った女性は、そんなフランシスを山の頂上へ誘います。
グラフィックのタッチは絵本の挿絵のようなイラスト寄りですが、かなり細かく描き込まれています。
キャラクターも滑らかに動き、会話中も結構身振り手振りが入りますね。
会話は吹き出しで表現され、フランシスに選択肢が発生すると複数の吹き出しが周囲に表示されました。
そこから1つを選んで進めていく感じ。
またバイオレッタの後を追って山の頂上まで行く過程で、移動方法のチュートリアルが入ります。
と言っても、方向キーやスティックで移動、「調べる」ボタン、「ジャンプ」ボタンくらい。
背景が描き込まれて奥に行けそうになっていても、完全なる横スクロール形式で奥へは行けません。
ただ木漏れ日の差し込む森の風景は本当に美しく、そこを抜けると一面のススキ。
さらに目的地である頂上は、紅葉した木々と落ち葉に彩られています。
山の頂上には自然豊かな風景に似合わぬ音楽ステージが組まれていました。
「ジョンソン・ベンデッティの甥 フランシス・ベンデッティ アフター・パーティー」と掲げられています。
どうやらフランシスの初ライブの後、主催者がこちらに客を誘導しようと目論んでいるもよう。
バイオレッタはフランシスのギターをアンプにつなぐように言います。
言うとおりにしたフランシスがフォークソングを奏でると、彼女は先ほど崖の上で弾いたサウンドを要求してきました。
ジョンソン・ベンデッティというのは、伝説的なフォークシンガーだそうです。
アフターパーティーのタイトルも、「ジョンソン・ベンデッティ」の文字が明らかに大きく書かれていました。
バイオレッタの台詞を聞くに、ライブのチラシもフランシスの写真は小さくしか掲載されていないようです。
とにかく、主催者はジョンソン・ベンデッティの名前を使った売り方しかしていないみたいですね。
バイオレッタは山の頂上に立つ大きな樹を見上げ、上ったことはあるかと尋ねてきました。
「今まで怖くてできなかった」
そう答えたフランシスは、バイオレッタと共に初めて巨木のてっぺんまで上ってみます。
そこに広がっていたのは、一面の紅葉……。
伝説の存在である叔父の影響は大きく、何よりその甥であるフランシスもフォークソングをやるべきと皆が決めつけています。
それを聞いたバイオレッタは、別人になりたいと思ったことはないか尋ねました。
再会を望むフランシスに対し、彼女は「LIGHTMAN」という名称を残し去って行きます。
バイオレッタが去った後、夕暮れの空に大きくタイトルが表示されました。
この後フランシスはゴンドラで山を下りていきますが、そのゴンドラに貼られているライブのチラシが確かに酷い……(;´Д`A
メインは完全にジョンソン・ベンデッティで、フランシスの写真と名前は本当におまけという感じです。
フランシスの住む町・コロラド州カリプソは、町の入口に「ようこそカリプソへ ジョンソン・ベンデッティの故郷」と看板があります。
小さな町から生まれた唯一の有名人……というところでしょうか。
ここからはしばしカリプソの町を歩き回ることになりますが、山と同じく背景は描き込まれているもののほとんど調べることはできません。
町のあちこちで立ち話をしている人や休んでいる人がいても、話しかけることができる相手は限られていました。
それより、メガネだらけなんだが……(´Д`;)
フランシスは分厚いメガネをかけていて、グラフィックに目が描き込まれていません。
バイオレッタはサングラスをかけていて、これまた目が描かれていません。
この時点ではそこまで気にしていなかったのですが、町に来ると誰も彼もがメガネかサングラスをしています。
どうやら、人物の目を表現しないというところにこだわっているみたいですね。
限られた相手ではありますが町の人たちとの会話で解るのは、やはりジョンソン・ベンデッティの存在の大きさ。
田舎町にしてはやけに人で溢れていると思ったら、ジョンソンのアルバムにちなんだイベントが開催されファンが押し寄せているもよう。
フランシスの初ライブはそのイベントのフィナーレとして行われるようで、メインではなく「演目の1つ」なんですね。
誰も彼もがフランシスを個として見てくれない息苦しさというものが、露骨ではなくほんのりと伝わります。
主催者のロミーという男性は露骨に「叔父の曲だけを演奏しろ」と言ってきましたし、批判をするベンデッティファンもいました。
でも友達もいますし、決してフランシスが迫害されているわけではありません。
……が、何とも言えない居心地の悪さをこの短時間でも確かに感じました。
ちなみにバイオレッタの言う「カリプソのLIGHTMAN」について友人たちに聞いて回りましたが、誰もそんな場所は知りません。
そもそもフランシスも疑問に思っていましたが、こんな小さな町で住人が知らない場所なんてあるんでしょうか。
そんなこんなで町の探索を終え、フランシスの家でありジョンソン・ベンデッティの生家へと戻ってきました。
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Posted by 黴 at 22:20│Comments(0)
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