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2011年01月20日

第12話 『招かれざる客』


相棒 9th season 第12話 『招かれざる客』 (11/01/19放送)
 強い雨の降る夜、オーベルジュで誰かを待っているらしい数人の男女。
 来訪者に、浮き足立つ彼らですが、訪ねてきたのは待ち人ではありませんでした。
 その人物・杉下 右京は、ここに一晩泊めて欲しいと頼み込みます。




血液検査の再検査を言い渡された神戸くんが出勤してくると、右京さんの姿がありません。
どうやら、今朝方、起きた溺死事件について調べに出ているようです。
死亡したのは、勤めていた建設会社で横領を行い、つい2週間前まで服役中だった市田 亮一さん。
右京さんは、出所したばかりの市田さんが、高級ホテルに宿泊していたことが気になり、
彼の所持品から割り出した、伊豆高原の 『Auberge Bienfait du soleil』 という店へ向かったそうです。
そのオーベルジュで右京さんは、別荘の調査に来た不動産業者の人間を装っていました。
他の宿泊客は、赤堀 勇人・君代夫妻、桑原 岳彦・修子夫妻と弟の副島 隆志さん。
そして、未だ姿を見せていない山田 公一さんの計6名。

右京さんを追うのではなく、独自に調査を進めることにした神戸くんは、市田さんの元勤め先へ向かいます。
市田さんは、武本リゾートの会長・武本 公蔵氏の遠縁であり、所謂、縁故採用でした。
そんな彼が関わっていたプロジェクトが 『伊豆高原アウトレットモール』 。
市田さんが行くことになっていたオーベルジュとは、どのような関係があるのでしょうか。

 最近、なりを潜めていた、神戸くんの対抗心が、少し顔を出しましたね。
 神戸くんは、右京さんと別のアプローチを取ることで差別化を図るのが好きみたいですな。
 これまでも何度か言っていますが、個性を際立たせることが容易だった薫ちゃんと違って、
 どうしても、右京さんと比べての “優劣” になってしまいがちな神戸くん。
 今のところは、『女性の機微』 や 『流行のファッション』 などで力を発揮していますが、
 もう1つくらい、右京さんとは異なる強みがあると、グッと締まる印象があるんですけれども。


宿泊客たちは皆、一介の客と言うには、いささかオーベルジュへの執着心が過剰です。
独学で学んだテーブルマナーを基に、スタッフのミスを指摘する修子さん。
絵画への知識を持ち、オーベルジュの絵が適正に扱われていないことを嘆く君代さん。
シェフの料理に更なる向上を期待し、厳しい言葉をぶつける副島さん。
スタッフの接客に苦言を呈し、在りし日のオーベルジュの姿を懐かしむ桑原さん。
それらはどれも、このオーベルジュを思っての言動のようです。

一方、神戸くんは武本氏の孫娘・武本 麻美さんを訪ねていました。
麻美さんは幼い頃に両親を亡くし、祖父の武本氏に引き取られていたそうです。
武本氏の信条は、「優れた一流のものにお金を惜しんではいけない」。
その信条に従い、執事や住み込みの家政婦、シェフ、そして麻美さんの絵画の家庭教師に到るまで、
破格の給料で、優れた人材を雇用していました。
しかし、武本氏の娘、すなわち麻美さんの叔母は、それらを贅沢だと非難しており、武本氏の死後、
彼らを皆、解雇してしまい、今ではどこでどうしているかも解らないのだそうです。
また、市田さんについて尋ねると麻美さんは、武本氏が亡くなる少し前から、何度か自宅を訪れており、
亡くなった当日にも、訪ねてきたことを記憶していました。

 その使用人だった人々が、オーベルジュの宿泊客なんですね。
 武本氏が亡くなった当日、市田さんが屋敷に来ていたということであれば、
 この面子は、武本氏が亡くなったとき、屋敷内に居合わせた面々とも言えます。
 だとすると、会合自体が、その死に関係しているのでしょうか?
 市田さんは、武本氏の死に関する何かを目撃して、そのことで誰かに金をせびっている…?
 ただ、言葉の端々から、当時の仕事に誇りを持っていたことが伺えるので、
 彼らが武本氏をどうこう、というのはなさそうですよね。






夕食後、宿泊客たちは談話室で、市田さんの死亡記事が掲載された夕刊を見て、慌てふためきます。
そこへ右京さんが現れたため、何とか平静を装う面々。
しかし、神戸くんとの情報交換を終えたことで、事件の核心に迫った右京さんは、
唐突に、7年前の事件について語り始めました。
それは、武本氏が税理士と結託し、裏金として隠していた資産について。
強欲な娘が、麻美さんの相続する資産まで、我がものにしてしまうのではないかと考えた武本氏は、
密かに現金を隠し、それを孫娘に渡すよう、税理士に頼んでいたのです。
けれども、武本氏の急死によって、この多額の現金を別の場所に隠さなければならなくなりました。
そんな彼らの話を盗み聞きしていた市田さんは、ある提案を持ちかけます。
市田さんの関わっていたアウトレットモールのプロジェクトは、定期借地権契約に基づいており、
10年後にはアウトレットモールを取り壊し、土地を持ち主に返す契約になっていました。
そこで、その建設地に現金を隠し、10年後、建物が取り壊された後に、金を取り戻す計画だったのです。

 でも、市田さんは出所早々に贅沢な暮らしをしていたんですよね?
 それって、出所後に隠してあった現金を独り占めにしたから?
 そのことに気づいた人が、市田さんを殺したのでしょうか。
 でも、気づくには市田さんと接触したか、自分もこっそり現金を掘り出そうとしたかの二択。
 後者であれば、結局、大金に目がくらんでしまったということになりますねぇ。


憤慨する赤堀さんに対して、含み笑いを洩らす右京さん。
突然、荒い口調で、話はすべて市田さんから聞いたのだと言い、彼が殺された今、
自分を仲間に加えてくれないかと持ちかけます。
そこへ現れた神戸くんは、市田さん殺害容疑で、右京さんを逮捕。
詐欺罪で服役中に市田さんから儲け話を持ちかけられ、仲間割れの末に殺したのだと説明します。
すると右京さんは、「自分が殺していないことはすぐに解る。すべて見ていたのだから…」 と、
宿泊客たちに向けて言い放ちました。
残された彼らに神戸くんが 「30分以内に所轄署の刑事が事情聴取に来るので待機するように」 と駄目押し。

 どっちも酷ぇ(´Д`;)
 お前ら、完全にふざけ始めてただろ…。
 やりたい放題だな。
 それにしても、先週予想したとおり、右京さん逮捕は、最後のちょっとした罠程度でしたね。
 あれを予告に持ってくるのは逆効果だったと思うんですけど。
 逮捕されることがメインの話だと期待していた人にとったら、こんな肩すかしはないですもの。
 間違っちゃいないけど、クローズアップするほどでもないところを強調した挙げ句、期待を裏切るという
 次に繋がらない集客の仕方をしてしまったんじゃないですかね。






慌てて現金を掘り出そうと単独で裏金を取りに行った赤堀さんは窃盗罪で逮捕。
一方、オーベルジュに残った宿泊客の元へ、右京さんが現れます。
驚く一同に身分を明かした右京さんは、市田さん殺害の犯人はこの中にいる、と告げました。
その犯人とは、オーベルジュのオーナー。
オーナーは、7年前、彼らが何かを埋めたことには気づいていました。
そして7年後に、同じ顔ぶれの予約客が揃えば、それを掘り出すつもりだというのは予想できます。
経営に苦しんでいたオーナーは、市田さんに接触し、口止め料を払うように持ちかけました。
しかし、市田さんがそれに応じることはなく、揉み合いになった挙げ句、殺害してしまったのです。

右京さんは、残された宿泊客たちに言いました。
こうして思い出のオーベルジュに集ったのは、現金を掘り出すためだけではないと信じている、と。
そして彼らに、これからどうすれば良いか解っているはずだと促します。
自ら警察に出頭した4人を見送り、特命係は無人のオーベルジュを後にしました。



【総評】
 犯人特定に到る情報が、最後にバタバタと公開されるのは嫌いなパターンなので残念。
 また、オーナーが犯人だったということ自体も、「意外な犯人=1番影が薄い人物」 のような
 短絡的な感じがして、好きになれません。
 それよりも、市田さんが殺されたことと、使用人たちの信念を絡めてくれた方が良かったな、と。
 彼らを善人にしたかったんだろうなぁというのは理解できるんですけどね。
 ついでに、右京さんと神戸くんの妙な芝居も、正直微妙でした。
 笑いどころなんでしょうけど、あまり笑えないというか…。
 しかし、全体の雰囲気は良く、観ている間中、楽しかったのも事実です。
 ここ数回、あまり面白くない話ばかりだったので、ちょっと盛り返したかな、という感じ。




【来週の相棒】 通報者
 嘘ばかり重ねる少年と神戸くんのお話。
 証言が二転三転すると言うと、『裸婦は語る』 とか 『フェンスの町で』 とか。
 この2つは、かなりお気に入りの話なのですが、今回はどんな理由なんでしょうか。

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Posted by 黴 at 23:26│Comments(0)相棒
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