さぽろぐ

ゲーム・アニメ  |その他北海道

ログインヘルプ


*TOP*

2009年10月22日

第2話 『さよなら、バードランド』


相棒 8th season 第2話 『さよなら、バードランド』 (09/10/21放送)
 白い洋風の建物から出てきた男性は、車に乗り込み、時計を確認します。
 皮の手袋を外して、電話を掛けた先は、旅館の仲間のところ。
 展望台に居るので少し遅れると伝えた男性・青柳 和樹さんが、虫の声が凄いだろう、と言われ、
 携帯電話を車外に出すと、辺りで大合唱する鈴虫の声が、旅館にも届きます。




証拠品を返却に来た右京さんと神戸くんは、道に迷ったうえ、最終バスに置いて行かれてしまいます。
必要以上に険悪になるのは、朝から何も食べていないせいでしょう。
2人は、ひとまず近場のレストランで食事を取り、下りのバスに乗って温泉旅館へ。
ところが、旅館にはパトカーが何台も止まり、大勢の警察官が出入りしています。
どうやら、宿泊客の広田 哲夫さんが頭部を殴られて殺害されたもよう。
彼に出資を打ち切られる予定の青柳さんが、同じ宿に泊まっていると知り、捜査員は色めき立ちます。
しかし、先ほどのレストランで食事をする青柳さんを目撃していたのは、他でもない特命係でした。

 神戸くんは刑事畑の仕事以外なら、何でもそつなくこなすと思っていたんですがね。
 案外このまま、駄目な子ポジションに収まってしまうのでしょうか。
 それにしても、これから温泉旅館に泊まろうというのに、レストランでアリバイ作りとは…。
 もうちょっと自然なやり方は無かったものかね(;´Д`A


青柳さんの部屋を訪ね、同宿である大学時代のジャズ研究会メンバーを紹介して貰う特命係。
話し好きらしく、右京さんたちにも終始愛想の良いドラムスの渡辺 政雄さんは、商社の営業マン。
少し気取った仕草の黒木 芳彦さんはトランペット担当で、現在はCMプランナーをしています。
どこか斜に構えた物言いをするベースの宇野 宗一郎さんは、東都大学の准教授とのこと。
そしてサックスの青柳さんは、出版しているジャズ雑誌 『Birdland』 の廃刊を辛くも免れたところ…。
彼らの紹介を受けた右京さんは、普通に考えれば居るはずのピアノ担当者が居ないことが気になります。
もちろん、彼らの研究会にもピアノ奏者がいました。
山崎 梨絵さん…黒木さんと結婚したものの、男ばかりの同窓会には顔を出したことがないそうです。
彼らの間に複雑な人間関係があると読んだ右京さんは、神戸くんと手分けをして彼らを分断することに。
個別に情報を収集した結果、幾つかの事実が浮かび上がりました。
渡辺さんは、かつて父親の借金で苦しんでいたときに、救ってくれた青柳さんを恩人として慕っています。
宇野さんが初めて注目された著作物の元になったのは、学生時代、青柳さんと共同で書いた論文。
黒木さんは、元々渡辺さんの恋人だった梨絵さんを奪った、女癖が悪く、利己的な人物だそうです。

 ジャズ研の紅一点・梨絵さんの話が出ると、やけに微妙な空気になりましたね。
 彼女の存在は、事件と深く関わっているようです。
 でも例えそうだとして、それが今回の事件にどう拘わってくるのか…。
 だって、殺されたのが黒木さんならまだしも、被害者は梨絵さんにまったく関係のない人物なわけですから。
 そんでもって、見事に温泉でのぼせてぶっ倒れる神戸くん…。
 頑張って歯止めを掛けないと、どんどんだめっこどうぶつになっていきますよ(´m`)






渡辺さん・宇野さんを疑う神戸くんですが、右京さんは明らかな嘘を吐いた黒木さんが気になるようです。
鈴虫の声の周波数は、携帯が拾える範囲よりも高く、電話越しに虫の声など聞こえるはずがないのに…。
黒木さんのことを調べるため、翌日、特命係は、彼のオフィスへと向かいました。
そこで知ったのは、黒木さんには若い愛人が居ることと、梨絵さんの土地にマンションを建てる計画があること、
そして、ピアノが趣味の梨絵さんと住むはずの部屋に、防音がなされていないこと…。
それに、あの旅館の近くに、別荘を持っているそうです。
もしかすると、黒木さんと青柳さんは、交換殺人を計画したのではないでしょうか。
車を飛ばして黒木さんの別荘に向かった特命係ですが、そこにあったのは梨絵さんではなく黒木さん本人の遺体…。
どうも、地下への階段が腐食していており、転落した拍子に頭を強く打ち付けたようです。
そこへ何故か青柳さん、宇野さん、渡辺さんがやってきました。
別荘に行った黒木さんが戻ってこないので捜しに来たという3人は、変わり果てた彼の姿に驚きます。
一方、梨絵さんはまったくの無事でした。
何と、夫から送られてきた手紙とチケットで、秋田の親戚の家に遊びに行っていたというのです。

 ホントに交換殺人だった……(;´Д`A
 ちょっと思いつきましたけど、それはないだろ、と思ってたんですよ。
 だって本来、交換殺人って、実行者2人の間にまったく関係がない、あるいはあったとしても、
 交換殺人を疑われるほどのものではないことが前提なんじゃ?
 かつてのジャズ仲間が温泉旅館に泊まっているその日に、彼らと所縁のある人物が付近で2人も死んだら、
 厭でも警察の注目を浴びますし、そうなれば交換殺人の可能性にも気づかれてしまいますよ。
 広田さん殺害時に青柳さんのアリバイをつくり、梨絵さん殺害時に黒木さんのアリバイをつくる程度で、
 本当に交換殺人が露見しないとでも思っていたんでしょうか?
 恐らく発案者は黒木さんでしょうが、あまりに酷すぎますよ、この計画…。


遺品から血痕の付いた手袋が見つかったことで、広田さん殺害の容疑は黒木さんに向かいます。
その黒木さんも事故死で片づけば、すべては青柳さんの思い通り…。
そう呟く神戸くんに右京さんは、青柳さんの犯行を証明できる可能性を示唆しました。
そして、その言葉通り、夜半に黒木さんの別荘へ忍び込み、カセットデッキを回収しようとした青柳さんが、
捜査一課と特命係によって、取り押さえられます。
青柳さんは、梨絵さんを巻き込まないため、黒木さんを騙った手紙で、彼女に完璧なアリバイをつくりました。
そして黒木さんを別荘に向かわせたうえで、彼が地下へ降りるよう心理的に誘導します。
地下のピアノルームから聞こえるのは、梨絵さんが好きだった、ジャズ研のクローズドテーマ…。
慌てた黒木さんは、腐食している階段を駆け下りようとして、転落死してしまった…というのが事の真相。
特命係が第一発見者になったことで、痕跡を始末できなかった青柳さんは、見張りの警官が居なくなった今夜、
危険を承知でカセットデッキを取りに来るしかなかったのです。

 な、なんて不確定要素の多い計画……(´Д`;)
 梨絵さんが黒木さんに御礼の電話やメールを入れたら失敗。
 黒木さんがブレーカーをONの状態で保持しなければ失敗。
 黒木さんが地下室の扉に気づかず、梨絵さんに電話でもしてしまったら失敗。
 黒木さんが腐食した階段のことを思い出したら失敗。
 腐食した階段を踏んでも落ちなかったら、あるいは落ちても死ななかったら失敗。
 数ある障害を乗り越えて、計画通りに事を終えられただけでも青柳さんは相当の強運の持ち主ですよ。
 そもそも青柳さんが 「梨絵さんを殺さなかった」 と言ったならともかく、
 息を吹き返した可能性をほのめかして、黒木さんを別荘に向かわせたんですよね?
 だったら黒木さんは、梨絵さんが何者かに殺されかけたのに、暢気にピアノを弾いていると思ったわけ?
 どれほど錯乱していたら、そういう思考回路になるんだよ(;´Д`A


青柳さんが黒木さんを殺してまでも守りたかったのは、青春時代の象徴である梨絵さんでした。
うまくいかない現実の中、あの頃の思い出はひときわ輝いています。
青春そのものであった梨絵さんの殺害を持ちかけてきた黒木さん。
例え青柳さんが交換殺人を断っても、別の方法で梨絵さんが殺されるかもしれない…。
そう思った青柳さんは、黒木さんを事故死に見せかけて殺すことにしたのです。
俯き、捜査一課に連行される青柳さんの前に現れたのは宇野さんでした。
梨絵さんには渡辺さんが付いているから、きっと立ち直れる。
そう言った宇野さんに、青柳さんは 「知ってたよ、ずっと読んでいてくれたこと」 と返しました。
口では青柳さんに厳しい現実を突きつけていた宇野さんは、
これまでずっと、一言も言わずに 『Birdland』 を購読し続けていたのです。



【総評】
 人物描写と、事件背景はとても素晴らしいものでした。
 楽しかった青春時代と、思うようにいかない現状との対比。
 古い言い方をするならば、輝かしい青春の象徴であるマドンナである梨絵さん。
 20年会っていなくても、黒木さんの殺意から彼女を守るため、罪を犯してしまう青柳さん。
 交換殺人の可能性が出てきたときには、てっきり梨絵さんあるいは愛人の遺体が別荘にあると思っていたので
 真相=青柳さんの真意が明らかになっていく過程は、思わず溜め息が出てしまいました。
 一方で、感傷抜きに事件そのものを見てしまうと、ちょっとどころではなく残念。
 近しい2人が、こんな近場で交換殺人をするという杜撰な計画を立てる黒木さんと、
 あまりに運任せな計画を立てる青柳さんは、どっちもどっちみたいですね。
 確かに相棒は人間ドラマも見所のうちですけれど、推理部分も頑張って欲しいです(ノд`)




【来週の相棒】 ミス・グリーンの秘密
 殺人事件の被害者の住所を聞いた老婦人を見張る神戸くんですが、
 あっさりバレてしまって、おまけに婦人に気に入られてしまう…みたいな感じ。
 しかし神戸くんは、引きつった笑顔が似合いますねぇ。

あなたにおススメの記事


Posted by 黴 at 21:38│Comments(0)相棒
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
第2話 『さよなら、バードランド』
    コメント(0)