【テキーラ・ベル殺人事件 ~経緯~】
ステージでピアノを弾きながらテキーラを待つ使用人(クローバーの7)。
レッドとのリハーサルに遅れそうになり、急いでステージへ向かうテキーラ。
さて、テキーラがスタジオへ入るとレッドは不在で、ピアノを弾いていたのは使用人(クローバーの7)でした。
使用人(クローバーの7)は、レッドから 「今日は参加できない」 と伝言を受けている、と言います。
「ロックリッジ様」 と言っているので、レッド・ロックリッジという名前なのでしょうか?
そう言えば、クレイ・ロックリッジのプロフィールに兄弟がいるようなことが書いてありましたっけ。
自分がレッドの代わりにピアニストを務めるという使用人(クローバーの7)。
「昔は酔った叔父がペンキの缶を叩くのに合わせて歌ったので、これくらい問題はない」 と揶揄するテキーラ。
使用人(クローバーの7)は笑って、「今日はサプライズで、『特別な』 楽譜を用意した」 と言います。
彼が弾き始めたのは、テキーラがつくった、しかし誰も知るはずがない曲でした。
驚くテキーラですが、使用人(クローバーの7)に促され、歌い始めます。
美しく力強い歌声がステージに響き、それが最高潮の盛り上がりを見せたとき、しかけがされていたのか、
声量によって砕けたステンドグラスが、彼女自身に降り注ぎ、歌は悲鳴に変わりました。
血塗れになったテキーラは、覚束ない足取りで逃げ出します。
その後を悠然と追っていく使用人(クローバーの7)。
衣装部屋で使用人を呼ぶためのベルを鳴らして、助けを求めるテキーラですが、誰も助けには来てくれません。
出血多量で倒れた彼女を抱えた使用人(クローバーの7)は、ランドリーシューターに、その身体を投げ込みました。
テキーラ・ベルは稀代の歌姫として名を残すか、蜘蛛に食われたあばずれと伝えられるか。
気まぐれな歴史に思いを馳せる使用人(クローバーの7)は、達成感と虚脱感を漂わせ、部屋を出て行きました。
【テキーラ・ベル殺人事件 ~解決~】
テキーラを救うための文字通り鍵となるのは、
楽器クローゼットの鍵でしょう。
試しに、使用人(クローバーの7)がノイズを気にする前に、レコードプレイヤーを調べて、
紫色のレコードを
入手してみたところ、当然ながら席を外さなくなり、鍵が入手不可になりました。
使用人(クローバーの7)はそのまま演奏を続け、テキーラがやってきて、罠にかかり、命を落としてしまいます。
2人が去った後のステージを調べてみましたが、特に何も見つけることはできませんでした。
ただ、
楽器クローゼットの鍵を持った状態で衣装部屋を調べていたところ、
北側にある物置っぽい部屋の鍵をかけられることが判明。
なるほど、ここに鍵をかけることで、殺人を食い止めるのですね。
ここで黴は、「傷を負って逃げてきたテキーラを、この部屋に入れ、鍵を掛けて守る」 と推測。
そのために、1階のバーで流れていた
セピア色のレコードが必要と考えました。
1) 1階のバーから
セピア色のレコードを入手
2) 使用人(クローバーの7)が立ち上がった隙に
楽器クローゼットの鍵を入手
3) 楽器クローゼットの中にあるレコードプレイヤーで
セピア色のレコードをかける
4) テキーラが傷を負って衣装部屋へ
5) 楽器クローゼットから流れてくる音楽に気づき、クローゼットの方へ
6) 使用人(クローバーの7)が来る前に、クローゼットに鍵をかける
という解決方法ではないか、と推理します。
ところが、衣装部屋へ逃げてきたテキーラは、まったくレコードの音に気づきません。
もしかしたら、
紫色のレコードが重要なのか?とも考えました。
セピア色のレコードと
紫色のレコードを入れ替えて、
使用人(クローバーの7)には
セピア色のレコードを取らせ、
紫色のレコードを楽器クローゼットへ。
しかし、結果は同じです。
つーことは、テキーラを楽器クローゼットに…という発想自体が間違っていたんですね。
今までの事例からして、「何かが起きてから阻止する」 という頭がありましたけど、今回は未然に防ぐのか。
そうと決まれば事は簡単です。
使用人(スペードの7)が気持ちよく演奏している間に
セピア色のレコードを取って、楽器クローゼットのプレイヤーにセット。
プールの部屋から、使用人(クローバーの7)の様子を伺い、ノイズを気にして立ち上がるのを待ちます。
予定通り、ノイズを聞きつけた使用人(クローバーの7)は、楽器クローゼットの方へ向かいました。
彼が部屋から出たら、すぐさま
楽器クローゼットの鍵を拾って、後を追います。
楽器クローゼットの中に入ったところで、
楽器クローゼットの鍵を使用!
楽器クローゼットに閉じ込められたことで、事を成せなくなった使用人(クローバーの7)。
一方、テキーラは誰も居ないステージで、仮面を外し、辺りを見回しています。
ラフカディオを見た彼女は 「リハーサルをしたいので、レッドの代わりに伴奏をしてほしい」 と頼みました。
ステージに立ったテキーラは、嫉妬と憎悪にまみれた酷い曲を書く夢を見た、とこぼします。
ルーカスを愛していた彼女は、それでも2人の幸せを望んでいたはずなのに……。
そんなテキーラに、ラフカディオが弾いてみせたのは、ルーカスが “彼女” を想って作らせた曲。
その曲を美しく、完璧に歌い上げたテキーラは、ラフカディオの腕前を賞賛し、静かに部屋を出て行きました。
恐らく、ルーカスというのが館の侯爵で、“彼女” はルーカスの妻なのでしょう。
直接は出てきませんが、トピックスや館の調度品から、侯爵が妻を深く愛していることが見てとれます。
愛した男性が、他の女性に贈る曲を作らなければならなかったテキーラですが、“嫉妬と憎悪の曲” で命を落とし、
この曲で救われたということは、嫉妬は覚えつつ祝福していたことも事実だったのでしょうか。
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