少女はおもむろに質問を投げかけてきます。
矢継ぎ早に飛び出すそれは、6人の語り部や、彼らの怖い話に関するもの。
めまぐるしく経験した今日の不可解な出来事を思い出しながら、質問に答えていく坂上くんですが…
1. 嘘つきの代償
少女の質問に誤った答えを返してしまった坂上くん。
すると少女は、嘘をついた坂上くんを罵ります。
その途端、坂上くんの体は細田さんのように天井へ引きずり込まれていきました。
地獄で、あの6人の案内人となるべく沈みゆく中、仮面を外してこちらを見つめる少女の姿が…。
2. 仮面の奥の自分
少女が勢いよく仮面を剥ぐと、そこにあったのは坂上くんの顔。
声や話し方まで坂上くんにそっくりな “彼女” は嘘をつく坂上くんを詰ります。
そして、その手の仮面を坂上くんの顔に……。
仮面はどうやっても剥がれず、坂上くんの命を吸い取っていくのでした。
3. 真相
補習のために居残りさせられ、行方不明になったのは全部で6人。
しかし本当は7人だったのだと少女は語ります。
先生に忘れられ、校舎に取り残された不安と苛立ちを、彼らは1人の少女にぶつけました。
少女は翌日までトイレの個室に閉じこめられていたのです。
そればかりか、翌日から例の6人によって連日虐められ続けたのだと言います。
そして耐えきれなくなった彼女は、あの日閉じこめられたトイレで首を吊って……。
自殺したその少女こそ、今目の前に居る仮面をかぶった彼女。
消えた6人の語り部は、少女を虐めた6人の子どもでした。
3-1. 天使のような
憎い相手の大事な子どもを殺すことで復讐を遂げた少女は、自らの心が浄化されたと語ります。
外した仮面の下から現れたのは、驚くほど美しい素顔。
柔らかく微笑むその顔は、坂上くんの目の前で溶けるように流れていきました。
そこに残ったのは完全な闇。
仮面が床に落ちたとき、既に彼女は居なくなっていました。
溶けたのは顔ではなく、彼女の心だと感じた坂上くんは、朝日の差す旧校舎を1人歩きます。
夢のような数時間が、夢ではない唯一の証拠を右手に。
3-2. 無限の
罪を犯したとき、それを償うのが自分自身だとは限らないことを覚えておいた方が良い、という少女。
そのとき悔やんでも遅いのだから、坂上くんには悔いのない人生を送って欲しいと言います。
坂上くんが良い人だから連れてはいかないと、1つ息を吐いた少女は、ためらいなく仮面を剥ぎました。
外した仮面の下にあったのは、広がる闇と輝く星。
宇宙に魅入られた坂上くんが、乾いた音で我に返ったとき、少女は仮面を残して消えていました。
仮面を片手に、早朝の旧校舎を後にする坂上くん。
この旧校舎が消えてなくならないことを祈りながら……。
少女の質問に的確な答えのみを返していくと見ることの出来る仮面の奥。
そこに辿り着くと、メニューに 「隠しシナリオ1」 が現れます。
『仮面の少女』 のシナリオだけでも相当の隠しシナリオだと思うのですが…。
その隠しシナリオも、ただのエピローグ的なものではなく、選択肢によってしっかり分岐します。
SFCどころか、PSだってこれほどのボリュームを備えたサウンドノベルは珍しいのではないでしょうか。
大概のノベルゲームが、バッドエンドを多くすることでボリュームを出しているのに対して、
ほとんどバッドエンドを設けずに、これだけの演出を盛り込んでいる学怖。
やはり、何度やっても面白いゲームです。
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