新堂誠 隠しシナリオ 『隣のお姉さん』

2007年08月30日 19:10

『学校であった怖い話』 プレイ日記 vol.44
新堂誠 隠しシナリオ 『隣のお姉さん』

 前回で6人の語り部すべてのシナリオを網羅しましたので、今回からは隠しシナリオのプレイ記を。
※記事中の「隠しシナリオへの道」は黴のプレイしたとおりの選択肢です。
 他にも選び方は何通りもあるでしょうが、そこはまぁそれということで。
【隠しシナリオへの道】
1) 3話目に岩下さんを選択
2) 絵が「好き」で、自分でも「描く」
3) 美術部の部室に「行ってみる」
4) 絵を見ても「別に感じない」
5) 絵を「飾ってもいい」
6) 岩下さんのわがままを「怒っていない」
7) 絵を「供養した」と思う
8) 絵がどこにあったか「見当もつかない」
9) 絵がどうなっているか「見に行く」
10) 絵は「元のまま変わっていない」と思う
11) 4話目に新堂さんを選択



 岩下さんの話が、自分の知っているものとは少し違うと言う新堂さん。
 噂どおり、変貌した絵を見た者が死ぬのなら、自分の知っている清水智子に関する
 もう1つの話をしておくべきだと考えたのだそうです。
 実は、清水家と新堂家は近所にあり、清水智子さんは年上の幼馴染でした。
 子供のころは、清水さんの家によく遊びに行っていた新堂さんですが、
 彼女の部屋には、気になってしょうがないものがあったといいます。 

1. 記憶にございません
 あの絵の顔がどうなっていたか覚えていないと徹底的に忘れたふりをすると
 新堂さんは、自分に言えるのは命を大事にしろということだけだ、と話をやめてしまいます。
 不機嫌そうに部室を出て行く新堂さんに気を削がれて解散してしまった一同。
 自宅へ帰った坂上くんが視線を感じて顔を上げると、部屋に貼ってあったポスターが
 あの恐ろしい絵へと変貌しているではありませんか。
 伸し掛かってきた絵に息苦しさを感じたのも束の間、坂上くんの腕は勝手に自分の首を…。
 暗闇の中見た自分の死に顔は、あのとき美術室で見た清水さんにそっくりでした。
2. 殺すつもりはなかったんです
 清水さんの話を聞きたくないと言う坂上くんに、新堂さんは不敵な笑みを浮かべました。
 自分だけは顔の変わった絵を見ても死ぬことはないのだと。
 せっかく話してやろうとしたのに…と部室を出て行ってしまう新堂さん。
 慌てて後を追う坂上くんは、冷たくあしらわれたうえに暴力まで振るわれ、
 衝動的に彼の背中を突き飛ばしてしまいます。
 頭部を強打し、血を流して倒れた新堂さんは、どう見ても息がなく……
3. 彼女の真意
 彼女の部屋には、てんでばらばらのポスターが所狭しと貼ってあったそうです。
 アイドル・演歌歌手・アニメ・選挙ポスターまで…。
 しかし、どれも人物が正面を向いていることから、清水さんは常に人に
 見られていたかったのではないか…と推測する新堂さん。
 だとすると、皆に見てもらいたくて描いたはずの自画像が恐ろしい顔に変わるのは矛盾しています。
 清水さんには、何か伝えたいことがあるのではないだろうか。
 彼女に恋情を抱いていた新堂さんにはそう思えるのでした。
4. 死なば諸共
 彼女の部屋からは、甘ったるくそれでいて微かに生臭いような不思議なにおいがしたと言います。
 遊びに行った新堂さんは、清水さんが部屋を出た隙に原因を突き止めようとしました。
 どうやらにおいは彼女の引き出しからするようです。
 開けてみると、そこには細長く丸めた紙……ではなく、何かの皮が大量にしまわれています。
 そのとき、新堂さんは背後に立っている清水さんに気がつきました。
 清水さんは、自分の好きなものの皮に絵を描くとインスピレーションが沸いてくると言い、
 新堂さんの皮を剥ごうと、ナイフを手に襲い掛かってきました。
 難を逃れた新堂さんはその後清水さんと顔をあわせることはなかったそうです。
 彼女は皮のキャンバスの秘密を知られたくなくて、自画像の表情を変えるのではないかと言い、
 これまで死んだ人間は秘密に気づいたから呪い殺されたのだと考える新堂さん。
 そして、今新堂さんからこの話を聞いてしまったメンバーたちも、秘密を知ったことに……
5. 選ばれたのは
 清水さんの自室には、今まで書き溜めた絵が無数と言って良いほどに置かれていましたが
 中でも彼女が拘りをもっているのが、死んだペットたちの絵でした。
 彼女は、心を込めて描いた絵に魂が宿ると考えていたようです。
 清水さんは自画像を完成させ、生贄によって生き返ろうとしていると新堂さんは確信します。
 そして、先ほど美術室へ行ったとき、自分に死の宣告をする彼女の声が聞こえたのだ…と。
6. 生きる糧
 彼女は風景画であれ自画像であれ、自分を絵にすることに執着していたそうです。
 鏡の代わりに絵を使うナルシストなのだろうと言う新堂さんは、あるときから彼女との交流が
 ぴたりと止んだそうですが、それには理由がありました。
 ある日、新堂さんは清水さんが自画像から生気を吸い取っているところを見てしまったのです。
 それは新堂さんの想像でしかありませんが、彼女の言動からして絵から何らかのエネルギーを
 得ていると見て間違いないようです。
 だとすると、あの絵を完成させようとしたり、幾人もの犠牲者を出したりしているのは
 生気を得て生き返ろうとしているためではないかと考える新堂さん。
 生気を取られないよう、あの絵には近づくなと忠告してきます。
7. 事件の真相
 清水さんに恋人が出来て以来、新堂さんが彼女の家に遊びに行くことはなくなりました。
 新堂さんは、その恋人が異様な…まるで人間ではないような奴だと感じていたそうです。
 そんなある日、新堂さんは清水さんが恋人と大喧嘩をしている場面を目撃します。
 恋人は不気味に笑っているだけでしたが、清水さんは激しい怒りを露にして、
 大泣きに泣きながら、「殺してやる!」と叫んでいました。
 そして、その1ヶ月後、清水さんは殺されてしまいます。
 例えあの男が犯人だとしても、人間ではないのだから捕まるはずはないと言う新堂さん。
 けれど1つだけ、彼には気になっていることがありました。
 それは、美術室にある自画像が、飽きるほど見てきた彼女本来の描き方とは微妙に異なること。
 再度美術室へ向かい、絵を確かめた新堂さんは、この絵の下に別の絵が隠されていると言います。
「絵に手を出せば呪われるかもしれないが、絵の具を削って下にある絵を見てみないか」
 そう提案する新堂さんに従って絵を削ってみると、何とそこには清水さんの恋人…
 ということになっていた、あの男の顔が。
 そして、白日の下に晒された絵の男は崩れ落ちていきました。
 もしかすると、あの男は、清水さんに命を与えられた絵の中の住人だったのかもしれません。

ただ新堂さんが話したいことを話しただけで終わる…という微妙な結末が多いのが残念なシナリオ。
しかし、シナリオ中で呪いの原因であろう事象を突き止めて解決するという珍しい結末は見ものです。
場合によっては、何だか判らないうちに新堂さんが清水さんの悲しみを癒してしまったりもしますが。
そして、黴が心底言いたいのは、いつも一緒にいてほしくて造りだした絵の中の男が、
どうしてあんなにしゃくれているのか…というその一点だけです。






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