【Curtain fall (結末)】
「ついに殻を破り、神となるときが来た」
肉体の変化を感じ、そう確信するソラリウス皇帝ですが、それは魔力を吸い尽くされたが故の変化でした。
耐えきれなくなった皇帝の体は、“貪欲なる者” と共に飛び散ってしまいます。
ソラリウス皇帝の最期を見届けたローズは、世界があるべき姿になった、と言いました。
強大な力を持つ者が自身を制御できなくなったとき、それを止めるために上に立つ者が現れる。
それが彼女の言う “世界のあるべき姿” なのです。
こうしてグロリアス帝国は滅びました。
魔王サマは地上をも支配する王として君臨し、3人の妃と “平和に” 暮らしていくことになります。
その栄華も長くは続かないかもしれません。
けれども、その未来に起こるかもしれない攻防すら、時間の浪費に過ぎないでしょう。
何故なら、悪が滅びることはないのですから。
ナールお気に入りの台詞で幕を閉じました、『OVERLORD II』 。
前作はDLCが同梱されていたために、更に物語は続きましたが、今回はこれで終わりみたいです。
さて、クリアしての感想ですが、前作と比べて、正に一長一短。
システム自体は前作よりも確実に改善されていると思います。
黴が初期装備だったこともありますが、魔王サマがかなり弱体化しており、
大勢に取り囲まれたりするとひとたまりもないため、前作より魔王サマ無双がしにくくなっていました。
また、ブルーミニオンの蘇生に時間が掛かるようになっていることから、
ブルー5匹くらいでは、乱戦になると乗り切ることができません。
続編になると、前作で難易度が高かったところを簡単にしてしまうことが多い中、素晴らしい調整です。
プレイヤーが不満として挙げることの多かったポイントを的確に改良していますよね。
一方、前作と比べての不満点は、ストーリー上、一貫してエンパイア帝国と戦うため、
敵のメリハリが少ないことと、目立ったボス戦が少なかったことなどが挙げられます。
ステージは変わるので、敵のバリエーションがないというわけではないんですが、
肝心なところで出てくるのはいつもの帝国兵。
さらに彼らは、隊列を組んでいる状態では非常に強く、指揮官を潰されると烏合の衆になるという
戦闘が楽しくなりそうな特性を持ちつつ、基本的に動きません。
隊列を組んで道を塞いで、じっとされていると、指揮官を見つけてレッドで狙い撃ちすれば済んでしまいます。
大群で攻めてくるシーンでも、投石機が追加されているため、その操作で事が足りてしまいました。
結果として、なかなか白熱したRTSが楽しめなくなっていたような気がします。
また、前作は英雄戦で1つのステージが終わっていたので、ストーリーのメリハリもありましたが、
今回はほとんどのボスが、その場の成り行きで倒すことになったものばかり。
もう少し、帝国側に固有名のあるキャラクターが居ても良かったのではないでしょうか。
しかし、相変わらずミニオンは可愛いし、やり応えのあるゲームであることには違いありません。
前作の魔王サマはアビスの支配者になってしまったため、次代のオーバーロードが主役になりましたが、
今作の終わり方は、この魔王サマが次回作も続投できるような〆になっていましたね。
『暗黒の穴』 や 『輝ける都市』 から、魔王サマを狙う者たちが現れる日が来ると良いな~。