荒井昭二 7話目 『僕はまだ人形の悪夢を見る』

2007年08月06日 23:09

『学校であった怖い話』 プレイ日記 vol.34
荒井昭二 7話目 『僕はまだ人形の悪夢を見る』

 新堂さんの7話目は、選択肢が大量に出てくる行動型の話でしたが、
 こちらは分岐するような選択肢はほとんどなく、物語を読み進めていくようなスタイルになっています。
 語り口でこちらを引き込む荒井さんの7話目とあって、分岐がなくても飽きさせない充実した内容。
 “怖い話” が一言一句、現実のものになっていく不気味さは、他の追随を許しません。


 不吉な言葉を残していなくなってしまった荒井さんに、残された6人は途惑い気味。
 いつまでもこの場にいるわけにもいかず、不安を抱えたまま解散することになります。
 残っていた福沢さんと一緒に夜の廊下を歩く坂上くんは、人形らしきものを目撃してしまいます。
 錯覚だと自分に言い聞かせ、学校を後にしますが、翌日思いもよらない事実が坂上くんを待っていました。

 日野さんに昨日の会合について報告する坂上くん。
 7人目が来なかったのは、日野さんのミスだと判明してホッとしたのも束の間、
 「荒井昭二」 という人物は、日野さんが声を掛けた語り部ではないというのです。
 事実を確かめるべく、昨日のメンバーに話を聞きに行きますが、荒井さんが人形の話をしたのは
 現実のことだと判ったものの、荒井さんが何者なのかは判らず仕舞い。
 それどころか、この学校の2年生に荒井昭二という生徒は存在しませんでした。

 そして、坂上くんの目の前に現れた1体の人形…。
 その日から坂上くんの行く先々には、人形がついて回るようになります。
 人形が見える頻度と共に、坂上くんの気力は失われていきました。
 既に恨みも悲しみも消え失せてしまった心境の中、心の中に湧いてきた、ほんの僅かな抵抗の意志。
 最後の気力を振り絞り、思い出したのは、校長先生が生け贄を選んでいるという荒井さんの話でした。

 重い体を引きずって夏休みの学校へやってきた坂上くんは迷うことなく校長室へ向かいます。
 そこで眼にしたのは、校長先生と荒井昭二が並んで映っている1枚の写真。
 荒井昭二は校長先生の息子だったのです。
 高校2年生のときに脳溢血で死んだ息子を思い、その人形を作らせる父親。
 完璧な人形を求めるあまり、人形に魂を宿らせようと、生け贄を捧げ続けていたようです。
 そのとき校長室に、ゴルフクラブを携えた校長先生が入っていきました。
 最後の生け贄である坂上くんを、この手で亡き者にしようと襲いかかってくる校長先生。
 逃げまどう坂上くんが、室内の洋タンスに近づいた途端、校長先生の様子はおかしくなります。
 中には何かが蠢く気配。
 思い切ってタンスを開けたとき、背後から振り下ろされたゴルフクラブが、タンスの中身を直撃して……。






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