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2021年12月15日

片道タクシーの行き先は


『Neo Cab』 プレイ日記 vol.10
 乗客イベントコンプリートの第3弾です。
 イベントは乗客によって、1~3回あるようですが、3回目のイベントは往々にして、リナとの絆が深まった様子が描かれます。
 どのイベントも感慨深いんですよねぇ。




【アゴノン】
1回目
 頭頂部にタトゥーを入れ、不気味な雰囲気を漂わせたアゴノンは、ロス・オジョスの地下を蠢くメタウォピアンについて語ります。
 そのペイン・ワームは人間の苦しみを糧として成長し、いずれ降臨した際には、すべての痛みを破壊するのだとか。
 不安がすべて破壊されるという考え方に魅力を感じたリナは、アゴノンと共にメタウォピアンを賞賛する言葉を叫んでみます。
 自分のしていることや、アゴノンの様子に、自然と笑みが浮かんでくるリナ。
 彼が “不機嫌な” 顔で去って行った後、不思議と気持ちがすっきりとしていました。

 乗客の中でも、かなりお気に入りなんですよね、アゴノン。
 新しい環境、行方不明のサビー、そしてどんな客が乗ってくるか解らないという日常的な危険に、リナは漠然とした不安を抱えています。
 メタウォピアンを信仰するアゴノンは、不安はペイン・ワームの糧になるので、悪いものではないと肯定的に捉えてくれました。
 そのうえで、糧を与え続ければ、いずれ降臨したメタウォピアンが不安をすべて破壊してくれるので、不安がなくなる……というわけですね。
 リナに救いを与えたのが、信仰そのものではなく、アゴノンと一緒になって大声を出してみたという単純なことであるのが、また良いんだ。
 メタウォピアンに救いを見出したのではなく、アゴノンの人柄に親しみを感じたんでしょうね、リナは。

2回目
 メタウォピアン教団のロス・オジョス支部は、人々の不安感を下地として、どんどん入信者が増えているそうです。
 それに伴い、アゴノンは信者との会合、新たな集会場所の確保などに追われ始めました。
 しかし、アゴノンを悩ませているのは、忙しさではありません。
 ロス・オジョス支部が成功し、発展していることに、“喜び” を感じてしまっているという事実です。

 なるほど、常に “哀しみ” “苦しみ” “不安” をペイン・ワームに与えるべき教団の支部代表者が、喜んじゃってるわけか。
 リナは、その考え方が短絡的だと説き、1つの感情では表せない複雑さが入り交じった過去の思い出を語ってみせました。
 そのうえで、満足感を覚えているなら、今はそれを享受すべきだと諭したところ、アゴノンも納得してくれたようです。

3回目
 深刻な顔でNeoCabに乗り込んできたアゴノンは、ミランダという信者について語り始めました。
 数ヶ月前に入信した彼女は、慢性的な痛みに晒され続けていたそうです。
 周囲の人々は、ミランダが 「痛みを感じなくなること」 を願いますが、それが叶うことはありません。
 だからこそ、互いの苦しみや痛みを受け入れ会い、決して快復を願うような言葉を口にしない教団の存在が救いになったのでしょう。
 そのミランダの命が今、尽きようとしています。
 支部の代表として、その死に立ち会うべく、彼女の住居へ向かうアゴノンは、はっきりと畏れを抱いていました。

 教団の性質ゆえ、痛みや恐怖については様々な見解を持つアゴノンですが、死は “無” であると感じているようです。
 そのため、“無” にどう立ち向かうべきか解らず、畏れているとのこと。
 リナは、ミランダに会うために自分の車に乗ってきた時点で既に正念場は越えている、と断じました。
 もし、アゴノンが車から逃げ出すようなことがあれば、拾い上げて車に押し込んで運転を続ける、と。
 うわー、うわー、この会話すごく良いなぁ……。
 アゴノンがリナを信頼して、自分の胸の内を打ち明けたことも、リナが場当たり的な対応ではなく、真摯に向き合っているのも。
 しかも、その後のリナの台詞もグッとくるんです。
「これはミランダへの片道特急。でもあなたに痛みを感じさせるだけのことを、させるつもりはない」
 説得の後、車内は沈黙に包まれますが、リナはミランダにとってアゴノンの姿を見ることがどれほど意味があるだろう、と思いを馳せます。
 そして、車から降りていくアゴノンは、リナに心からの感謝を述べました。
 素晴らしいイベントだったなぁ……。




【フィオナ・パク】
1回目
 パーティーにでも出席するような派手な出で立ちをしたフィオナ。
 彼女は、ネット上のボーイフレンドと初めて直接会うのですが、自身の容姿に自信がなく、悩んでいるようです。
 リナに対して不安を打ち明けていたフィオナですが、化粧品が合わなかったのか、痒みを感じてしまい、化粧をぬぐい去りました。
 メイク道具を忘れてきたことに焦る彼女に、リナは自分の化粧ポーチを差し出します。 
 大げさな “アニメッシュ” ではなく、素朴なメイクだけをした彼女は、とても魅力的に見え、リナは激励の言葉をかけました。

 このイベントもすごく好きなんですよね。
 アニメッシュというのは、どうやら写真とか映像の加工みたいな効果をもたらすメイクみたいです。
 フィオナは、オンラインで出会ったドレに幻滅されたくないという気持ちから派手な “加工” を施しました。
 決して美人ではないフィオナなんですが、それらを全部取っ払ってスッピンを見せたときに、ばっちり可愛く見えるんです。
 「本当は可愛い顔なのに化粧で台無しだったのが、化粧を取ったことで本来の可愛さが」 という表現ではないんですよ。
 化粧をしていても、化粧をとっても、フィオナは容姿が良いとは言えません。
 それでも、「不自然な化粧より、自然なスッピンの方が可愛い」 という表現を成し遂げているというのは、素敵なゲームだな……と思います。
 
2回目
 ドレとの交際はうまくいっているフィオナですが、デートに向かう表情は暗いものです。
 どうやら彼女は、相手の望むものや行動が予測できる 『YURN』 というアプリを使って、疲れを押してドレの望むデートをしようとしているもよう。
 フィオナが自分の感情を無視して、しかもドレ本人と話し合うこともせずに、アプリを頼りにデート内容を決めることが、リナには気に掛かります。

 フィオナはドレのことがとても好きで、彼が1番喜ぶことをしてあげたいと思っています。
 そして、それに対してほぼ答えに近いものを出してくれるYURNというシステムに頼っています。
 ゲームに例えるならば、恋愛ゲームでキャラクターに嫌われたくないがゆえに、初プレイ時から攻略を見ながらプレイするようなもの。
 それだけなら、まだ良いのですが、フィオナは自分のしたいことがドレに対してマイナスだと、それを主張することもできなくなっています。
 恋愛ゲームであれば、相手の気に入らない選択肢をすれば、好感度が低下するというペナルティが与えられるでしょう。
 でも、現実の人間関係なら、ドレが譲歩することだって有り得ますし、折衷案を探すという方法もあるはず。
 それでもフィオナは、最初からYURNで結果が解っているがゆえに、自分のしたいことを初めから諦めてしまっています。
 ただ、リナはそんな彼女に、「アプリが提示したことでも、それを決めたのは貴方自身」 と励ましました。
 YURNに操られているのではなく、あくまでYURNからの提案をフィオナが決定している、という自主性を植え付けているわけですね。
 だったら、今夜のデートも不安そうにせず、楽しんできて!と。
 フィオナも最後には、笑顔でウィンクしてくれたので、デートがうまくいくことを祈りましょう。

3回目
 ドレと通話をしながらNeoCabに乗り込んできたフィオナは、前回とは打って変わって非常に楽しそうでした。
 あの後、予定どおりダンスには行きましたが、ドレに対して実は疲れていることを打ち明けたのだそうです。
 ドレの望みを叶えるために無理をしていたことを知られ、2人は喧嘩になってしまいましたが、それは “良い喧嘩” だったと言うフィオナ。
 そして、先日、今度はドレがYURNを使ってフィオナの好きな花を贈ってくれたことに、複雑な感情を覚えました。
 それがきっかけで、ついにフィオナはYURNを削除したのです。

 フィオナが自分の気持ちを大切にするようになったことを、自分のことのように喜ぶリナ。
 反面、自分の状況はどんどん悪くなっていることに落ち込みます。
 すると、それに気づいたフィオナがリナの相談に乗ってくれようとしました。
 乗車を重ねるごとに互いが近づいてくるのが、自然な表現で描かれているんですよね。
 フィオナのこの態度も、決して踏み込みすぎには見えません。
 自分に助言をくれたリナの力になりたい、という自然な流れが良いんだよなぁ。
 リナはフィオナに、友人が行方不明で危険な目に遭っているかもしれない、と告げます。
 昔から自分はいつも彼女に取り残されてしまうこと、彼女を嫌いになれず、それを受け入れるしかないことも。
 ひとしきり話を聞いたフィオナは、リナが親友に対して盲目的になっているように感じる、と言いました。

 ここ、思ったよりリナがサビーのことを詳しく話すんですが、ちょっと残念なのがリナが知らないはずの情報も出てくるということ。
 2周目では乗客との会話を優先するため、サビーを探すメインストーリーは放置しているんですよ。
 だから、リナはこの時点でサビーがCapraの社員でありながらRadixとして動いているなんて知らないはずです。
 けれどもフィオナに対して、そのサビーの状況を話してしまうあたり、ここはフラグ管理されていないみたいですね。
 それはさておき、フィオナはリナに 「誰かの後を追いかけて、その人になりたがっていた」 頃の自分を重ねてしまったようです。
 ただ、そのときは相手がフィオナを 「利用したり騙したり」 しようとしていませんでした。
 リナがサビーに傷つけられるのではないかと心配しつつ、フィオナは車を降りていきます。
 うーん……1周目を見る限り、実際、この懸念は当たっているからなぁ。
 自分の身に危険が及ぶと、簡単にリナを裏切って、その直後に再び寄ってくるし。
 



【ステラ・ブニュエル】
 髪の一部を青く染めた若い女性は、何やら時代がかった口調で話しかけてきます。
 しかも、その発言内容は、自分が壮年の男性であると言わんばかりのもの。
 戸惑うリナに対して笑い声をあげたステラは、自分が役者で “ネッド” は彼女の持ち役の1つであると明かしました。

 どうやら、ロス・オジョスには普通の役者と、“イマージョン” というジャンルの役者がいるようです。
 ホログラムか何かで、自分とは異なる姿の役を演じるというものみたいですね。
 女性のステラが男性を演じていることからして、声も変えられるもよう。
 普通の役者が本業ですが、あまり売れていないらしく、イマージョンの仕事で食いつないでいるようです。
 目的地へ到着するまでの間、リナはステラの別のキャラクターの演技に付き合うことになりました。
 2つから選べたので、「多顔の鏡を守護するダークエントランクシスのクモの子・オバーカ」 なるキャラクターにしてみます。
 役に入り込み、尊大な口調でリナに謎かけをしてくるオバーカに、リナもそれなりに演技をしながら答えます。
 いやぁ、このイベントも好きだなぁ(*´∇`*)
 イマージョンの仕事には不満があるのかもしれませんが、リナとやりとりをしている間のステラは、それなりに楽しそうでした。
 機会があったら、もう1つの役も見てみたいですね。




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Posted by 黴 at 20:39│Comments(0)NeoCab
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