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2012年02月07日

第8話 『フォーカス』


相棒 10th season 第8話 『フォーカス』 (11/12/7放送)
 雑踏の中で、若い女性が通り魔にナイフで刺される事件が発生。
 その一部始終を激写していたのは、カメラマンの有沢 広明さん。
 写真は大スクープとして週刊誌に取り上げられますが、その数日後、彼は遺体として発見されました。




有沢さんの遺留品であるデジタルカメラの中には、スキャンダラスな写真が幾つもありましたが、
右京さんは通り魔事件当日の写真が、消去されていることに気が付きました。
写真の復元を米沢さんに任せ、第一発見者である警察官が勤務する交番へ向かった特命係。
その警察官・小島 秀隆さんは、有沢さんが開催するはずだった写真展のスタッフから、
行方不明の報せを受けて捜索中に、神社で遺体を発見したそうです。
また、この交番は通り魔事件の現場からも程近く、小島さんは最初に現場に駆けつけていました。
事件当時、現場では廃品回収の車が通りかかっていたらしく、周囲が気づかなかったのも、
そのスピーカーからの音に紛れていたからではないか、と言う小島さん。

 うーむ、妙にクローズアップされる交番相談員の谷川さんが気になりますね。
 谷川さんの自転車に付いているストラップが画面に大写しになっていますし、
 有沢さんの写真に、この自転車が写り込んでいるっぽいですな。
 この人が犯人なのか、重要な要素の目撃者なのか…。


有沢さんの写真展は主催者の死亡により中止となりました。
女性が自殺する瞬間を捉えた写真をポスターにしていることからも解るように、
元々、刺激の強い報道写真が主だったため、反対意見も多かったのだそうです。
有沢さんの同業者である井出 彰紀さんによれば、有沢さんは自費で写真展を開催しようとしていたようで
スクープを取らなければ報酬も貰えないフリーの報道カメラマンとしては、考えられないことだったようです。
そんな彼の資金源と思われる人物が、学生時代の知人・笛野 光起さん。
しかし、笛野さんの言動におかしなものを感じた右京さんは、彼の身辺を調べてみます。
すると、笛野さんが過去に女性へのストーカー行為で告発されかかっていたことや、
通り魔事件の現場が、その女性の自宅近辺であることが解りました。
どうやら、笛野さんは未だストーカー行為を続けており、偶然撮れた証拠写真をネタに、
有沢さんから脅迫されていたもよう。

 写真展の作品の中に、毒殺事件の被害者遺体・連行される犯人・犯人の家族という
 続き物の写真がありましたが、家族の写真をこんな風に展示するのって良いんですか?
 犯人にも優しい一面があるという意図なのか、こんな穏やかな人間が凶悪な犯罪を…という意図なのか
 解りませんが、最後の1枚だけもの凄く悪趣味に感じました。






デジカメから消去された写真は、やはり通り魔事件を撮影したものでしたが、
どの写真も、倒れる被害者本人ではなく、横目でそれを見る通行人に焦点が合わせられていました。
小島さんも、犯行の瞬間を目撃した人が皆、立ち去ってしまい証言がほとんど得られなかったと言います。
事件の際、自分以外にも多くの人が現場にいた場合、率先して動こうという気が薄れてしまう心理現象を
『傍観者効果』 と呼ぶそうですが、警察関係者が傍観しているところを見られていたとしたらどうでしょう。
右京さんと神戸くんは、写真の中の自転車についたストラップを根拠に、谷川さんを追求します。
すると谷川さんは、退職した自分が通り魔に立ち向かえるだろうか、という恐怖心から、
周囲の人々と同じように、見ないふりをしてしまった、と言いました。
それをネタに有沢さんに脅迫され、殺害に到ったのだ、と。

 残り時間からして、まだ二転三転しそうな感じですね。
 谷川さんが誰かを庇っているとか、過去の有沢さんのスクープに関係があるとか?
 そもそも、写真には谷川さん本人が写っていたわけではないんですよね。
 だったら脅迫のネタになるかなぁ?
 いくら脅される立場とは言え、現物も確認していないのに、100万円も支払うのは不自然じゃ?
 自転車が写っていただけなら、仮に有沢さんが谷川さんを目撃していたと言っても、
 なんぼでも言い逃れはできるわけですし…。


これで事件は解決したと思われましたが、右京さんには納得のいかない部分があるもよう。
それを確認するため、もう1度笛野さんに話を聞いたところ、彼は脅迫を畏れて、
自ら口止め料を振り込むも、それを有沢さんに突き返されていたことが判明しました。
それを知った右京さんは、谷川さんへの脅迫もなかったのではないかと考えます。
しかも、谷川さんは廃品回収の音声がうるさくて…と言いましたが、現場にいた廃品回収の車は
事件当時、スピーカーを使用していませんでした。
ならば、谷川さんが現場に居たというのも嘘だったのではないでしょうか。

 なるほど、詰め込んでまで笛野さんを登場させたのは、脅迫がなかったことを示すためなんですね。
 でも、彼の存在のせいで、尺が足りなくなっている感が拭えません。
 もうちょっと別のさらっとした方法で、脅迫がなかったことを示唆できなかったものか…。
 谷川さんが都合の悪い写真を撮られて殺害した…という展開ならまだしも、
 そこから尚も展開するのであれば、笛野さんを出すより、もっと谷川さんに焦点を当てて欲しかったなぁ。






有沢さんが報道カメラマンとして注目される切っ掛けになったのは、写真展のポスターにもなった自殺。
男性から暴行を受けた内海 佳苗さんが、非行に走っていた過去をマスコミに暴かれ、
執拗につけ回された挙げ句、それを苦にして自殺した…という事件です。
内海さんは現役時代の谷川さんに何度か補導されたことがありました。
谷川さんとの交流を通じて更生し、退職後も谷川さんを慕う内海さんを襲った不幸な事件。
彼女を力づけようとする谷川さんですが、耐えきれなくなった内海さんは自殺してしまいます。
現場に駆けつけた谷川さんが崩れ落ちるその背後でシャッターを切る有沢さん。
絶望を感じていた谷川さんは、内海さんからの最期の手紙にあった、
「谷川さんの優しさに救われた」 という言葉から、交番指導員として人を救う仕事に復帰することを決意します。
そんな中、有沢さんの写真展のポスターを見た谷川さんは、内海さんの死が冒涜されると感じました。
写真展の開催を思いとどまらせようとする谷川さんに対し、写真を見てくれと繰り返す有沢さん。
谷川さんは、内海さんを守りたい気持ちと、無神経な有沢さんへの憎しみから、彼を殺害してしまいます。
動機をでっち上げたのは、逮捕されて尚、内海さんを守るためでした。
右京さんと神戸くんは、谷川さんに有沢さんが展示したかった写真を見せます。
4枚1組で 『罪』 と題された作品は、内海さんに群がるマスコミの姿、彼女の飛び降りの瞬間、
内海さんの遺体を前に膝を突く谷川さんの後ろ姿、そして谷川さんと共にいるときの内海さんの笑顔。
有沢さんはこの作品で、内海さんの命を奪った、自分も含めた報道の罪を告発し、
同時に谷川さんのやるせなさと怒りを表現したかったのではないでしょうか。
写真の中の内海さんの笑顔を前に、谷川さんは涙を流し、崩れ落ちました。

 正直、真相を知った今も、毒殺事件の組写真は悪趣味だと思いますが、
 内海さんの組写真は、非常に考えさせられる内容に仕上がっていますね。
 それだけに、事件の真相が語りだけで済まされてしまったのは残念です。
 視聴者が知らなかった新事実が、最後のシーンで続々と出てくるのではなく、
 捜査中にわかった事実を組み合わせて、最後のピースは語りではめるような展開が良かったなぁ。


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Posted by 黴 at 23:11│Comments(0)相棒
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第8話 『フォーカス』
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