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2011年11月03日

第3話 『晩夏』


相棒 10th season 第3話 『晩夏』 (11/10/26放送)
 病院のロビーで、往生際悪く受診を引き延ばしている右京さんは、日傘の忘れ物を見つけます。
 急いで病院の外に出ると、持ち主である着物姿のご婦人は、まだバスを待っていました。
 その女性・高塔 織絵さんは、今し方、余命一年もないと宣告されたばかりで……。




その翌日、特命係に高塔さんから連絡がありました。
42年前に自殺した恋人の文箱から、猛毒の入った小瓶を発見したと言うのです。
現在、一流の歌人として活躍する高塔さんは、学生時代、短歌の会に所属しており、
同じく会員であった桐野さんとは結婚の約束をした仲でした。
ところが、ある夏の日、桐野さんは突然服毒自殺を図り、亡くなってしまいます。
警察は体の弱かった桐野さんが、将来を悲観して自殺したと結論づけましたが、
単なる自殺なら、何故、毒の小瓶を厳重に隠す必要があったのでしょう?
高塔さんは、この青い小瓶の謎を解いてくれるよう、右京さんに依頼しました。

 毒の小瓶を処分してしまったというのは疑わしいですね。
 小瓶の謎を解きたいと考えているのに、実物を廃棄しているはずがありません。
 何か理由があって、右京さんたちには捨てた、と言っているのかな?
 彼女が殺したとは思えませんから、証拠隠滅ではなく、中身の毒を使うため?


高塔さんや桐野さんの所属していた短歌の会のメンバーに話を聞いてみたところ、
桐野さんは恨みを買うような人物ではありませんが、高塔さんを狙っていた男は数多居たもよう。
唯一、彼女に言い寄らなかったのは、会の創始者でもある浅沼 幸人先生。
浅沼先生は高塔さんの師であり、時に激しくぶつかりながら、現在まで彼女を育ててきた人物だそうです。
その浅沼先生に勧められ、桐野さんの短歌ノートを読み解く右京さん。
そこには妻を思いやる気持ちや、自分を案ずる心配性の妻の姿が多く綴られていました。
浅沼先生の言うとおり、短歌からは桐野さんの人柄と、当時の様子がよく解ります。

 何故、高塔さんの依頼が 「犯人捜し」 ではなく 「小瓶の謎解き」 なのかが気になる右京さん。
 確かに、高塔さんは 「自殺なら瓶を隠すのはおかしい」 と他殺を疑っていたようでしたから、
 普通ならまず 「一体誰が殺したんだ」 と考えそうなものですよね。
 そうすると、犯人には目星がついていて、でもそれを隠したいとか?
 「他殺かもしれないと知って、恐ろしいけれど嬉しかった」 という言葉の意味も謎です。
 恋人が殺されて嬉しい、というのはないでしょうし、自殺じゃなくて嬉しい、も右京さんは否定的。
 自殺よりも他殺の方が良いことって何だろう?






高塔さんや浅沼先生、そして当時の事件関係者から得た情報を元に、右京さんは1つの推理を打ち立てます。
まず、事件当夜、下宿に出入りした者が居ないことから、小瓶の毒を飲んだのは、やはり桐野さん自身。
しかし、それは自殺ではなかった、と右京さんは考えました。
犯人が、体の弱かった桐野さんに、薬効があるとでも偽って、毒を渡したのではないでしょうか。
それを信じた桐野さんは、言われたとおり、珈琲に入れて飲み干し、死に至ったのです。
小瓶を厳重に隠した理由は、彼の短歌ノートの中にありました。
自分が飲む薬を見るたびに、心配を募らせる妻の様子や、それを心苦しく思う様子が綴られたノート。
高塔さん自身も、見慣れぬ小瓶を目にしていたら、きっと桐野さんを問い詰め、
それが薬だと解れば、夫を休養させようとしていただろう、と言います。
嘘の吐けない桐野さんは、高塔さんに見られまいとして、小瓶を文箱に隠したのでしょう。
犯人にとっても、毒の小瓶が見つからなかったことは予想外だったかもしれません。
…右京さんの推理を聞いた高塔さんは、真実を確かめるつもりはないと言い、
謎を解いてくれた右京さんへの感謝を述べて、去っていきました。

 ここで大体ストーリーの半分くらいですから、ここからまた何か大きな動きがあるんでしょう。
 そのせいか、右京さんの推理が若干想像の域になってしまっているような…。
 桐野さんが小瓶を隠した理由を短歌から読み解くのは面白いですし、
 彼の短歌を見ると、高塔さんとの日常が目に浮かぶようですから、納得もできます。
 けれども、その前段階の、犯人が青い小瓶を渡す辺りに、もうちょっと根拠が欲しかったな~と。


高塔さん本人が満足したのなら、事件はこれで終わり。
そう言った神戸くんは、ふと右京さんがどのように高塔さんと知り合ったのかを尋ねます。
その言葉で何かに思い当たった右京さんは、急いで浅沼先生の家へ向かいました。
ところが、浅沼先生は自宅に居らず、42年前の罪を告白する遺書が残されています。
浅沼先生が居たのは高塔さんの自宅。
高塔さんは、浅沼先生に珈琲を勧め、「疲れに効く」 と言って、例の青い小瓶を差し出しました。
それを何の躊躇いもなく、珈琲に入れて飲む浅沼先生。
その様子を見た高塔さんは、目に涙を浮かべて、「さようなら」 と呟きました。
…慌てて高塔宅に駆けつけた特命係が見たのは、茫然自失の浅沼先生と、高塔さんの遺体。
青い小瓶の中身は毒ではありませんでした。
中身はあらかじめ入れ替えられており、毒は彼女自らがあおったのです。

 浅沼先生を試したってこと?
 浅沼先生は、敢えて復讐を受けるつもりだったから飲んだけれど、
 それによって、高塔さんは浅沼先生が犯人ではないと思ってしまったのでしょうか?
 でも、それで何故、彼女は死を選んだのかなぁ?
 他殺にこだわっていたみたいですから、桐野さんが自殺だった今、生きている意味はないとか?






歌人・高塔 織絵の才能と、彼女自身を愛した浅沼先生は、42年前、桐野さんを殺害しました。
けれども、愛するあまりに、彼女から軽蔑されることを畏れ、今日まで自分の気持ちを隠し続けてきたそうです。
そして、高塔さんが自分の罪に気づいたら、甘んじて復讐を受けよう、とも考えていました。
右京さんにヒントを与えたのも、そのためです。
しかし、何故高塔さんは復讐ではなく、自ら命を絶ったのか…。
右京さんが初めて高塔さんと出会ったあの日、彼女は余命半年の宣告を受けていました。
その直後、彼女は公衆電話から浅沼先生に電話を掛けています。
にも関わらず、病院で受けた宣告について一言も話さなかったのは、自分の命が残り僅かだと知って、
ただ、浅沼先生の声が聞きたいと思ったからではないでしょうか。
すなわち、42年の歳月を過ごすうち、高塔さんの中にも、浅沼先生を思う気持ちが生まれていたのです。
だからこそ彼女は、浅沼先生が自分を愛するが故に桐野さんを殺したかもしれないと知って嬉しく思い、
同時にそう思ってしまう自分の気持ちが恐ろしくなったのでしょう。
浅沼先生が犯人であって欲しいと思う高塔さんは、小瓶を使ってそれを確かめようとしました。
ですが、浅沼先生が贖罪を決意していたために、彼女は賭けに破れたのです。
文箱の二重底には、高塔さんの最期の短歌が残されていました。
 罪あらば 罪ふかくあれ 紺青の 空に背きて 汝を愛さん
崩れ落ちる浅沼先生に背を向け、右京さんたちが見上げた空は、あの日のようにどこまでも青いものでした。



【総評】
 42年という歳月が経ったからこそのストーリーですね。
 高塔さんが浅沼先生に思いを寄せるようになったのも、長い年月を共に進んできたからでしょうし、
 何より、恋人の死からさほど時間の経っていない状態で、他殺の可能性に気づいたら、
 どんなに浅沼先生に心惹かれていても、「嬉しい」 とは思わなかったでしょう。
 嬉しいと思ってしまった高塔さんが、それを “恐ろしいけれど” と評するのは、
 理由が解ってから観てみると、とてもよく彼女の心情を表していると思います。
 推理の部分は、右京さんが 「想像だ」 と言っているにしろ、ちょっと物足りなかったですが、
 ストーリーとしては、とても面白く観ることができました(*´∇`*)

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Posted by 黴 at 23:59│Comments(0)相棒
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