Review　『OVERLORD -RAISING HELL-』
総合評価　★★★★★
　開発元：TRIUMPH STUDIOS
　ジャンル：アクション
　発売日：2008年6月24日

長い眠りから覚めた魔王サマは、忠実なしもべであるミニオンたちの長・ナールから
自分が英雄たちによって倒され、すべての記憶を失っていることを聞かされる。
各地に散らばる悪の力を取り戻しつつ、堕落した英雄たちを葬り去ることで、
この世は魔王サマの支配する悪と混沌に満ちた素晴らしい世界に変わるだろう。

このレビューは、黴の完全なる独断と偏見でお送りしています。
各項目の評価は★×1～5と☆＝0.5で為されていますが、こちらも勝手気ままに付けておりますので、御承知くだされ。

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システム　★★★★★
　日本のゲーム 『ピクミン』 によく似ていますが、ピクミンよりも戦略性が高く、
　ミニオンに対する指示も、比較的細かく行うことができます。
　ターゲットを選択し、ミニオンを向かわせることで、標的に応じた様々な行動をとるミニオン。
　また、ガードマーカーなるものを使用することで、ミニオンを小部隊に分けることが可能。
　このシステムにより、戦闘に幅が生じます。
　戦闘の醍醐味は、相手が大人数で奇襲を掛けてきたときに実感することができるでしょう。
　余裕のない状況下で、如何に効果的な指示を、各ミニオンに出すことができるか。
　うまくいかなければ、次々にミニオンが死んでいきますが、ハマれば爽快な勝利が待っています。
　唯一の欠点が、主人公である魔王サマ自体がかなり強いということ。
　魔王サマが気兼ねなく参戦すると、ミニオンの出る幕なし、といった場面も多々あります。
　さりとて、ミニオンにも劣る魔王サマという設定もどうか…。
　というわけで、是非是非、魔王サマはできる限り高みの見物でプレイすることをお奨めします。


操作性　★★★★☆
　混戦すると、ターゲットをガードマーカーに合わせたいのに敵ばかりロックオンしてしまい、
　ミニオンたちにうまく指示が出せないなどということも起こりがち。
　もちろん、慣れれば徐々に上達しますが、このゲーム最大の難点は、ロックオンでしょう。
　ミニオンは、ターゲット選択さえ誤らなければ、かなり思い通りに動いてくれます。
　ターゲットを決めずに送り込んでも、自身の判断で行動しますが、その場合は、
　ミニオンの小さな脳味噌に、過剰な期待をしないことが大切です。
　あくまで、魔王サマがきちんと指示をしなければ、いけないことを肝に銘じておきましょう。


ストーリー　★★★★★
　完全な洋ゲーでありながら、かなり日本人ユーザー好みのストーリーだと思います。
　主人公は悪の魔王サマ…なのですが、プレイヤーの選択によっては
　村人たちのためにせっせと働くハメになる、といったユーモラスな一面もありますし、
　堕落した英雄たちを1人1人撃破していく、という明快で解りやすい目的を持っています。
　プレイヤーがストーリーについていけず、置いてけぼりになることもまったくありません。
　そして、終盤待っているどんでん返しが、特に素晴らしいものでした。
　大抵のプレイヤーは予想がつかないと思うのですが、それでいて不自然さがない。
　なるほどと納得できて、最高に盛り上がるあのシーンが黴は大好きです(*´∇｀*)
　また、ダウンロードコンテンツ(PS3版ではDL不要)の地獄編も大満足。
　各地に突如現れた地獄は、本編よりも更に個性的な内容になっていますし、
　何より、ボリューム満点で、うっかりクリア後だというのを忘れてしまいそうな程でした。
　


グラフィック　★★★★★
　日本のゲームには見られない感じの造型が多いのですが、
　ゲーム内の雰囲気も相まって、とても素敵です。
　やはりミニオンたちの、一見不気味でありながら、いつの間にか可愛らしく感じてしまう
　愛嬌というのは、この外見でなければいけないだろうな、と思わせてくれました。
　また、ミニオンたちの装備も凝ったものが多く、外観が大きく変わるブラウンミニオンは
　ゲーム中、終始カスタマイズを楽しませて貰いました。

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黴のお気に入りポイント
　◆ミニオンを使った戦略性溢れる戦闘
　◆魅力的なキャラクターと、忠実で可愛いミニオンたち
　◆変に捻くれていない単純明快かつユーモアのあるストーリー


黴のイマイチポイント
　◆敢えて使用を控えなければ、魔王サマが強すぎる
　◆ボスである英雄たちが総じて弱い
　※一応、イマイチポイントも挙げましたが、ほとんど不満のない素晴らしいゲームです

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