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2008年12月09日

第7話 『最後の砦』


相棒 7th season 第7話 『最後の砦』 (08/12/03放送)
 『連続スクーター通り魔殺人事件』 の被疑者・辻 正巳さんが、取調中の暴行により死亡しました。
 取調を担当していた野村 修司さんと、取調監督官の下柳 努さんは、取調の違法性を否定。
 上層部も、真相を承知で、事態を隠蔽に掛かります。




右京さんと共に、お好み焼きを食べる小野田氏。
被疑者が死亡した件の取調に、試験配置中の “取調監督官” が居たことを口にします。
世間の声が、取調の録音・録画や、弁護士の立ち合いを強く求める中、
警察が対策案として打ち立てたのが、取調監督官。
その取調監督官が、違法な取調を見逃し、事件が発生したとしたら、
制度そのものが疑問視され、警察にとって非常に厄介な事態になるでしょう。
右京さんは、そんな話をした小野田氏の真意を問いますが、当の本人は素知らぬ顔…。

 ちょっと先取りとでも言いましょうか…。
 実施が検討あるいは決定している制度が既に機能していたら、という前提で進むストーリーは、
 相棒の数あるシナリオの中でも、かなりクオリティが高いので、今回も期待が高まります。
 6th seasonなら、裁判員制度や、取調の一部録画制度がそれに当たりますが、
 いずれの場合も、懸念される問題点をうまく盛り込んでおり、色々考えさせられますよね。
 そこにドラマ性を付与しているので、単なる刑事ドラマとしても楽しめますし。


内々に検死を済ませてしまおうという本部の意向とは逆に、監察官・大河内さんは解剖の必要性を主張。
そのため、内村部長は捜査一課に通り魔事件の裏付け捜査を命じました。
「自白済みの被疑者に暴行を働く理由はない」 とするために、辻さんが犯人だという証拠を固め、
死亡前に自白していたことにしてしまおうというのです。
一方、勝手に捜査を進めていた特命係は、幾つかの疑問点に突き当たりました。
それを調べていくうち、警察がおよそ正当とは言えない方法で、辻さんに容疑を掛け、
半ば強制的に連行したことが判明します。
また右京さんは、任意同行の少し前に、壊れて止まった辻さんの腕時計と、
犯行現場に存在したであろうタイヤ痕に関する記述が報告書にないことが、気になっていました。

 大河内さんに聴取を受ける下柳さんが、「被疑者のための監督官だろう」 と言われて、
 「でも私も警察官です」 と呟くんですが、はっきり言って 「そりゃそうだ」 なんですよね。
 ドラマの中では事件の隠蔽という大きな事態になっていますが、身内同士で監視し合ってるなんて、
 大なり小なり、見逃し行為が発生しないわけがありませんよ。
 平和的な表現をするなら、自習時間の監督を委員長が任せられたようなもんじゃないですか。
 真面目に自習してない学生が居たって、「まぁこれくらい…」 と思うでしょうし、
 口うるさく注意してたら、「あいつ、何なの?鬱陶しい…」 と言われること間違いなし。
 そんな状況で、厳正な監督行為は難し過ぎますよ。
 絶対に、“余所のクラスの先生” に監視してもらわないと、うまくいきませんって。






本部に呼び出された下柳さんは、今回の件に関して違法性を認めることは、
警察全体の責任問題に発展すると、今後の言動について釘を刺されます。
下柳さんを “警察の威信を守る最後の砦” と称し、頭を下げる内村部長ですが、それは紛れもなく圧力。
不安定になっていた下柳さんは、精神的に追い詰められてしまいます。
更には特命係にタイヤ痕のことを追求され、思いあまった野村さんが、
鑑識から資料を盗み出そうとした現場を、大河内さんに押さえられてしまいました。
真相の告白を迫られた下柳さんは、仲間を裏切れない、と叫び、密かに持ち出していた拳銃で自らの命を…。

 右京さんが 「自分が違法捜査をしたらどうするか」 と尋ねたら、薫ちゃんは即答できませんでした。
 右京さんとしては、「違法は違法だから告発する」 というのが望ましい答えなんでしょうけど、
 薫ちゃんは、良くも悪くも人間的だから、そういう考え方が出来ないんでしょうな。
 そして、大半の人間は、多かれ少なかれ、仲間意識に引きずられるんですよね、きっと。
 沈んでいる薫ちゃんは、追求しなければ下柳さんが死なずに済んだのに、と思っているのでしょうか。
 対して右京さんは、不正は不正、警察官として許されることではない、と。
 久々に薫ちゃんが、“強くて正しい” 右京さんにわだかまりを抱いています。
 ここでの問題は、追求したことではなく、急速に追い詰めすぎたことでしょうに。


右京さんは、野村さんに呼び出され、タイヤ痕の照合を止めるよう求められます。
下柳さんの死を無駄にしないためにも、真相を隠すべきだという野村さんと、
下柳さんの死を無駄にしないためには、野村さんがここで変わらなければならないと言う右京さん。
警察官が市民を拘束するという大きな権限を持っているのは、
警察官は自分を犠牲にしてでも市民を優先することが当然だから、と右京さんは言いました。




通り魔事件の方は、急展開を迎えます。
真犯人は、辻さんと同じマンションの住人・日下部 裕さんでした。
彼のスクーターのタイヤ痕が、事件現場にあったものと一致。
更に、その車体の塗料は、辻さんの壊れた腕時計に付着していたものと一致します。
何と、あの任意同行の直前、辻さんは駐車場で、日下部さんのスクーターと接触事故を起こしていました。
直接の原因は取調中の暴行ですが、元を辿れば接触事故で頭部を強打していたから…。

 官房長、性格悪~(´Д`;)
 大河内さんが、辻さんの遺体を解剖すると言うのに 「待った」 を掛けたのは自分なのに、
 その圧力に屈した大河内さんを、右京さんと比べて揶揄しています。
 小野田氏の目論見通り、右京さんは真犯人を見つけ、都合の良いことに、
 辻さんが死亡したのも、完全に接触事故のせいにすることが出来たわけですな。
 相変わらず、この手の話は、この手の結末を迎えることになるんですねぇ。
 そこんとこがリアリティの追求になっちゃうんだから、嘆かわしい限り(;´Д`A


真犯人の存在と、接触事故のことを聞かされた野村さんの脳裏に右京さんの言葉が過ぎります。
意を決して、すべてを公表すると申し出た野村さんに、これまで懐柔姿勢をとっていた署長の態度が一変。
無実の辻さんを被疑者にしたのも殺したのも、下柳さんを死なせたのも、すべて野村さんだ、と冷たく告げます。
更に、入院中の母親から、息子を案じる電話が掛かってきたことで、野村さんの決意はしぼんでしまいました。
電話を切った後、1人嗚咽を洩らす野村さん。
……その後、野村さんに人事異動命令が下りました。
新たな役職は、“取調監督官” 。
署長は言います。
野村さんなら、被疑者にとっても、警察にとっても、最も良い取調監督官になるだろう、と。

 怖っ!((( ;゚Д゚)))
 これで北川署は、こちらの言いなりになる都合の良い監督官を手に入れたんですよね。
 言うこと聞かないと、どうなるか判ってるな…?ってことですもんね。
 うわ~、今までで一番救いがないかも…。



【総評】
 前回や前々回と同じ1時間とは思えないほど、濃密なストーリーでした。
 テーマも構成も満足しきりです。
 個人的に、質の高さは7th seasonで1番ですね。
 



【来週の相棒】 レベル4
 前後編だよ、年末は。の巻。
 感染すると48時間で死亡する殺人ウィルスで “ゲーム” をしたい危ない男の話。
 久々に、自己顕示欲の強い犯人ですかね。
 『クイズ王』 くらいの対決ムードで、且つもうちょっと出来の良い犯人を希望。

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Posted by 黴 at 23:56│Comments(0)相棒
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