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2008年02月12日

VNV 荒井昭二 『ゲーマーの条件』


『学校であった怖い話 Visual Novel Version』 プレイ日記 vol.2
荒井昭二 『ゲーマーの条件』

 二番手は荒井さんです。
 もっさりキノコヘアーが随分すっきりしており、陰鬱さは目の隈で表現されているもよう。
 うつむき加減も、学怖より軽減されております。
 ※当然、以下はVNVのネタバレになります。
  個人的にはネタバレを読んでいようがいまいが、VNVのシナリオを
  プレイしたときに感じる圧倒的迫力には影響がない…と思っていますが、
  ネタバレが厭な人はここでストップしておいてください。




荒井さんは、霊が時代と共に姿を変えて存在する意外にデジタルなものだと言います。
そんな荒井さんは、ゲーム…それも家庭用よりPCゲームが好き。
今回話してくれるのは、ゲームにまつわる怖い話です。



 市販されているソフトよりも、個人制作された同人ゲームの方が熱意を感じられると言う荒井さん。
 事実、市販品よりもずっと優れていて、骨のあるものも多いのだそうです。
 荒井さんと同学年の赤川 哲也くんは同人ソフトをこよなく愛する男子学生。
 彼はある日、初めて耳にする同人ソフト即売会の情報を得ました。
 入場料1万円というその怪しい即売会に強い興味を抱いた赤川くんは、荒井さんと共に足を運びます。
 そこにはそれぞれ薄い封筒を前にして、無言で座っている黒ずくめの男たちが…。
 どうやらこの素っ気ない封筒にゲームが入れられているようです。
 完全に騙されたと感じる荒井さんや他の客を余所に、赤川くんは目を輝かせていました。
 そして、1本6万円という信じられない値段のゲーム、『スクール・デイズ』 を購入して帰ったのです。

 赤川くんに誘われて、彼の自宅でそのゲームをプレイすることにした荒井さん。
 起動させてみると、まるでコンピュータが流通したばかりの頃のような味も素っ気もないタイトル画面。
 赤川くんも、自分が詐欺に引っかかったのではないかと泣きそうな表情になりながら、ゲームを続けます。
 どうやら、『スクール・デイズ』 は自分で学校を作るシミュレーションゲームのようでした。
 先生や生徒の名前をすべて入力可能で、行事や運営も細かく設定されてはいますが、
 何せほとんどグラフィックがなく、結果ばかりがズラズラと並べられるばかりです。
 赤川くんは元を取ろうと無理に楽しんでいましたが、興味の失せた荒井さんは彼の家を後にしました。

 ところが翌日、赤川くんは心底あのゲームにハマっているように見受けられました。
 その様子に屈辱的なものを感じた荒井さんは、あの即売会の情報を求めて、再び会場を訪れます。
 けれども、会場となっていたビルは5年も前に取り壊されていたと言うではありませんか。
 そのビルにはかつてコンピュータ・ゲームの会社が入っており、甘言に惑わされた
 コンピュータに強い中高生を監禁しては、不眠不休でゲームを作らせていました。
 踏み込んだ警察により、何人もの子供の遺体と自決した社員が発見されたのだそうです。

 どうしても彼らの残したゲームがやりたい、そう思った荒井さんは赤川くんの家へ向かいました。
 そこで目にしたのは、前回とはかけ離れた美しいグラフィックとBGM、
 そして、まるでその場に人がいるかのような音声で話すキャラクター…。
 赤川くんは、このゲームがプレイヤーの上達にあわせてシステムを進化させると言います。
 ゲーム自体が魂を持っているかのように。
 『スクール・デイズ』 を巡って荒井さんと赤川くんが対立しようとしたそのとき、
 ゲームの中で、彼らの名を与えられたキャラクター同士が喧嘩を始めました。
 “荒井昭二” と “赤川哲也” は彼らと同じ声で、彼らの気持ちを代弁するように言い争います。
 そして、画面の中の彼らが武器を手にした瞬間、現実の彼らも同じものを所持していました。
 ナイフを手にした赤川くんにチェーンで殴りかかる荒井さん。
 完全に赤川くんが動かなくなるまで叩きのめしたとき、画面の中から声が聞こえました。
「死亡により赤川くんの存在は削除されます」
 その刹那、現実世界の赤川くんも、フッと消え失せてしまいました。
 学校でも赤川くんの存在を覚えているものは誰もいない…。
 赤川くんはこの世から “削除” されてしまったのです。




荒井さんの精神状態の変化が見物と言えば見物なのですが、ちょっとイメージが違うなぁ…。
学怖でよくあるように、昔この学校にいた赤川くんという生徒とその友人の話…という方が良かったのでは?
荒井さんはどこまでも淡々と話して、時折異様さを見せるところが怖いと感じたので、
今回のシナリオは、あまりにも勢い込みすぎている気がしました。
赤川くんとその友人の話をしているうちに、友人の方に感情移入して、時々怖いことを言う…と。

しかしそれを除けば、霊的なもの自体よりも、それを切っ掛けとした心の闇を主題とする
荒井さんの特徴が前面に押し出されているシナリオだと思います。





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Posted by 黴 at 15:24│Comments(0)学校であった怖い話
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