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2007年12月10日

鈴木由香里 5話目 『魅せられた女』


『晦~つきこもり』 プレイ日記 vol.28
鈴木由香里 5話目 『魅せられた女』

 由香里が遺跡発掘のアルバイトをしたときのことです。
 発掘されたのは江戸時代の寺跡。
 建物の痕跡はほとんどなく、一面の墓痕が残されていたそうです。
 墓の中からは何百体という人骨が出てきました。




1. 鈴の音
 調査メンバーの1人・岡本のり子さんは閉所・狭所を好み、墓穴に入るのも大好きです。
 骨を取り出した後の桶に体を丸めて入る様子に、周囲は罰が当たると眉をひそめていました。
 ある日の作業後、由香里は現場で岡本さんと2人きりになったことがありました。
 由香里が図面を引いていると、岡本さんと老人らしき声が談笑するのが聞こえたのです。
 近所の住民が珍しがって見学に来たのだと思った由香里が、図面を引きながら話を聞いていると、
 老人は昔話をしているようでした。
  昔々、ある古寺を根城にしていた盗賊たちは、旅人を襲い、身ぐるみ剥ぐばかりか、
  彼らの肉を喰らって生きていた。
  ある夜、いつものように1人の商人から金品を奪い、その肉を食べていた盗賊たちは
  商人の死体が綺麗な鈴を握っているのに気が付いた。
  骨と一緒にその鈴を捨てた盗賊たちだったが、その日から夜な夜な鈴の音が鳴り響き
  同時に、旅人が盗賊に襲われることもなくなった。
  古寺へ様子を見に行った付近の村人は、無惨な死体となった盗賊たちを見つけたそうだ。
  そして、辺りにはどこからともなく鈴の音が……

 そのとき、突然チリーン…という鈴の音が響き、岡本さんの悲鳴が聞こえました。
 墓穴に駆け寄った由香里が見たのは、顔が崩れ、苦しそうにうめく岡本さんの姿。
 そのまま彼女の肉は溶け、白い骨だけになってしまったと言います。

2. 死して尚
 岡本のり子さんは骸骨が大好きでした。
 墓から掘り出された骨を回収するときにも、頭蓋骨を見ては、その形状を批評するのが常でした。
 あるとき、墓からきれいに原形をとどめた、美しい白骨死体が発掘されました。
 岡本さんはその骸骨に夢中で、暇さえあれば、じっと見つめたり、話しかけたりしていたそうです。
 骨をゆずってほしいと発掘隊に掛け合っていたようですが、承諾を得られるはずもありません。
 思い詰めたのか、調査が終わるという日になって、岡本さんは失踪してしまいました。
 それからしばらくして、由香里は、調査で発掘された品が納められている博物館に行ってみました。
 すると、例の骸骨はその美しさからか、展示品の1つになっています。
 そして、新たな発掘品である女性のミイラも一緒に展示されていました。
 由香里がこっそり聞いたところによると、このミイラはいつの間にか博物館の倉庫にあったのだとか。
 それでも、骸骨同様、一種の美しさがあったために、展示されたのだろうと由香里は言います。
 そのミイラを見ていると、由香里は不意に既視感を覚えました。
 目の前にあるミイラは、骸骨に恋をした岡本さんなのでしょうか。

3. 理想の男性
 ついに調査終了の日になり、岡本さんは泣く泣く骸骨に別れを告げました。
 その1年後、由香里の元に岡本さんから結婚式の招待状が届きます。
 結婚相手の男性は、非常に裕福で、整った顔立ちでしたが、岡本さんが惚れ込んだのは骨格でした。
 岡本さんは彼に「妻より1日でも早く死んだら、骨格標本になる」 という誓約書を書かせていたそうです。
 しかし、幸せなはずの新婚旅行で彼は行方不明になってしまいました。
 由香里が自宅を訪ねると、岡本さんは思ったよりも元気で、新婚旅行先で買ってきたという
 骨格標本に旦那さんの名前を付けて可愛がっていたのだとか。
 恐ろしい想像をしてしまう葉子ちゃんに、由香里は言いました。
 そういうことは思っていても口に出さない方が良い、と。

なかなか雰囲気が良く、ほどよい怖さのある話でした。
分岐の量も丁度良い、模範的なシナリオ?





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Posted by 黴 at 20:10│Comments(0)晦-つきこもり-
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鈴木由香里 5話目 『魅せられた女』
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