『学校であった怖い話』 プレイ日記　vol.41
福沢玲子　6話目 『恋占い』
　福沢さんのシナリオにしては、多数の分岐があるのが特徴です。
　ただし、分岐の仕方は複雑ではないので、すべてを網羅するのも、そう苦労しないでしょう。

---

結婚相手に求める条件を尋ねてくる福沢さん。
「ルックス」　「性格」　「家事能力」　の3つを順位付けさせられます。
このときの回答によって、ストーリーは大きく4つに分かれることに。

　福沢さんのお姉さんの同級生に平井香苗さんという女の子がいました。
　彼女は非常に結婚願望が強いうえ、理想が高い人だったようで…
1.　恋の黒魔術
　美人で明るく占い好きだったという平井さん。
　彼女の理想は、「自分のことを何でも判ってくれる人」。
　平井さんに好意を抱いて近寄ってくる男子生徒も、それを理由に皆、ふられていたそうです。
　ところが、あるとき彼女の理想にぴったりの人物が現れました。
　占い部の後輩・佐藤博通くんです。
　彼は、人の心の機微を読むのがうまく、占いにも長けていました。
　2人は急速に中を深めていきますが、平井さんは1つ勘違いをしていました。
　人の心理を読み取って占いをする佐藤くんに、神秘的な力があると思い込んでいたのです。
　2人の間に誤解から生まれた溝が生じたのも、占いに対する価値観が原因でした。
　彼女は、佐藤くんを振り向かせるため、黒魔術を使うことにします。
2.　恋敵
　とても美人で趣味は料理という平井さんは占いに傾倒し、何でも占いに頼ってしまいます。
　恋人の田中くんに少し冷たくされたときにも、占い師に原因を占ってもらいました。
　そこで、田中くんに美人の新しい彼女ができたと言われた平井さん。
　綺麗になって見返したいと思う彼女に、占い師は 「魅力的になれるおまじないをしてやる」 と持ちかけます。
　確かに平井さんは魅力的になりました。
　けれども田中くんの新しい彼女を目撃してしまった平井さんは、もっと綺麗になりたいと望みます。
　髪や爪を差し出すたびに綺麗になる平井さんですが、占い師の正体は田中くんの彼女だったのです。
　渡した体の一部を使って呪いをかけられた平井さんは、死体となって発見されました。
　田中くんは、例の彼女・美和子さんと結婚して「幸せに」暮らしているそうです。
3.　命がけの恋
　自分のお兄さんを理想の人として掲げていた平井さん。
　彼女は占いを信じ込み、その結果をまるで事実のように言いふらす、少し困った人でした。
　そんな彼女に「近々運命の人に出会う」という占い結果が出ます。
　しかし、今度ばかりはそれが実現しました。
　三年生の鈴木くんという男子生徒に好意を抱いてしまった平井さんは、
　彼こそ運命の人だと思い込み、相性占いの結果を回りに言いふらします。
　ところが、その鈴木くんに拒絶されてしまった彼女は自殺してしまいました。
　それは、大好きなお兄さんと 「離れなければどちらかが死ぬ」 という結果が出ていたから…。
　鈴木くんと付き合ってお兄さんから離れられると思ったのに、もう死ぬしかない。
　彼女はそう考えたのでした。
4.　失恋の果てに
　平井さんが言いふらしたことで、彼女の好意を知った鈴木くんは平井さんと付き合うことにしました。
　ところが、彼女の占い好きは生半可なものではなく、何でも占いで決めようとします。
　そんな彼女の癖に辟易した鈴木くんは、占いに頼りきりの性格を改めろと詰め寄りました。
　すると平井さんは、「お兄ちゃんと同じことを言う」と泣き出してしまいます。
　そして、彼女は泣きながら鈴木くんにカッターを突き立てました。
　「引き止めるためなら何でもしなさい」という占いを信じて…。
　痛みにもがく鈴木くんを見下ろし、タロット占いを始める平井さん。
　死神のカードが出たのを見て、鈴木くんの死は運命なんだと呟きながら去っていきました。
5.　運命の恋人
　平井さんの理想は、高いどころか、相手の名前・誕生日・血液型・年齢・出身地まで決まっています。
　占いで出た結果を信じて、理想の彼と20歳までに結婚すると決め付けていたのです。
　ところが絶対に見つかるはずがないと笑う周囲を余所に、条件に当てはまる男性が現れてしまいました。
　新任教師・近藤真司先生は平井さんの条件にこそ当てはまりますが、おせじにも外見が良いとは言えません。
　けれども、例え髪がぼさぼさでも、体型がずんぐりむっくりでも、平井さんにとっては理想の男性。
　当惑した近藤先生は、彼女を避けるようになりますが、平井さんはあきらめません。
　教師と生徒という立場を主張して説得する近藤先生に、高校を卒業したら考えるという約束を取り付けました。
　一見、近藤先生から離れたように見える平井さんですが、常に先生が浮気をしないか監視し、
　周囲には高校を卒業したら彼と結婚するのだと公言してはばかりません。
　あるとき、そのことを他の先生に揶揄された近藤先生は、平井さんのことを好きでもなんでもないと
　口に出してしまいました。
　それを聞いていた平井さんは、激しい憎悪の視線を向けて走り去ってしまいます。
　体育館に先生を誘い出した平井さんは、運命の赤い糸を見せてあげると言い放ち、
　小指の付け根をナイフでえぐり、血で赤く染まった神経を取り出して見せました。
　自宅まで逃げ帰った近藤先生ですが、扉をノックする音と、平井さんの声が彼を追い詰めます。
　「あの約束を覚えているでしょう」と問いかける平井さんに近藤先生は……

近藤先生が恐怖から平井さんを刺し殺してしまう結末、
自殺した平井さんの幽霊が、運命の相手を求めて校舎をさまよっているという結末、
近藤先生が学校を去り、平井さんは未だ運命の人を探し続けているという結末など色々分岐しますが、
最もインパクトがあるのは「嘘ついたら針千本飲ます」を実行してしまった平井さん。
近藤先生の口に針を詰め込んだ挙句、彼の小指の神経を引きずり出して、自分のものと繋いでしまいます。
近藤先生が死んだ今、平井さんは永遠の19歳となり、運命の人を待っているそうですが…






<< BACK　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　NEXT >>

あなたにおススメの記事